第105話 「本物商人佐藤勝人のエキサイティングに売れ!」より~その3~ |
10月27日発売の新刊が発売されます。
その前にスタッフ用として10冊購入し、私自身も読んで感じたことを発売日までシリーズで伝えて応援しようと思っています。
先日の第103話を読んだ方から素晴らしいメッセージをメールでいただきました。
文面より
「ブログ読ませていただきました。
自分のしたいことを弾圧してでも、それを平気だと思って我慢して、それを美徳と考え、
それでも強がってみせるのが大人だと思っていました。
壁にぶつかった時、頑張らなきゃ!我慢しなきゃ!って我慢することが良くないのですね。
自ずと暗くなり、全てのことに盲目になってしまいます。
それよりも人生夢見がちで、楽しまなきゃ!そう思いました。」
本当にありがとうございます!!!!!!!!!!
私よりも私が伝えたいことを上手に表現してくださって感謝です。
私にそう思わせてくれた佐藤さんの文章にはそれだけのパワーがあるということです。
今日はちゃんとブログを読んでいれば良かったと後から思った文面より抜粋
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「逃げることは恥ずかしいことではない!」
あるアソシエイト(社員)のご両親が、私のところを訪れた。
ご両親が、心配して息子に電話をしても、息子は「大丈夫だから・・・」と言う。
そして「自宅には来ないでくれ・・・」と言うとのこと。
親として、どうしたらいいのか?
最初の就職先は途中で辞めてしまい、だらしなかった息子だったが、サトカメに出会って真面目に働くことを覚えて、店長にまでさせてもらって、結婚までできて・・・。
10年もサトカメでお世話になってきたのに・・・これからというときに本当に情けない・・・。
親としてどうすればいいのか・・・を聞きに来たと言う。
そんな心配顔のご両親の顔を見て、私は笑い飛ばしてあげた!
そして私は言ってあげた!
そんなに心配することではないですよ!
息子さんは息子さんなりによくがんばっていたし、たかだか1週間、1ヶ月、3ヶ月、半年、1年
サボったくらいでどうってことありませんから、心配しないで下さい、ハハハハハ(笑)
私たちは、笑顔でいつまでも待ってますよ!
そんなに心配することはない!
彼は彼なりにがんばり過ぎた証拠ですよ。
部下育成に家庭に、そして社会的責任・・・。
だから、その反動なので心配は要りませんよ。
元々サトカメは、10年20年30年という長いスパンでアソシエイトの育成を考えていますから、
その中のたった1ヶ月サボったなんていうのは、たいしたことではありません。
それよりも今の経験は、彼の今後の財産になると思いますよ。
人間は辛くなったら逃げていいんですよ。
逃げることは最大の防御ですから。
逃げないで立ち向かうのもけっこうですが、かえってうつ病になりますから注意してください。
そこを彼は上手に逃げたわけですから、自分自身を守ったのです。
自分を守れるのは自分しかいませんから、周りがとやかく言うものではありません。
仲間の店長や部長も心配して、一所懸命関わってくれています。
彼らももう子供じゃありませんから、ひとりの大人として、社会人として戦っているんですよ。
彼らに任せましょうよ。
それが、親離れ、自立じゃないですか、それが成長じゃないですかね。
弱い奴の気持ちがわかる、芯の強い真面目な店長へと成長してくれますよ。
絶対に、この経験が人を伸ばすんですよ。
だから、逃げられるところまで逃げろ!
そして、気付いたら全速力で戻って来い!
決して遠回りじゃないから心配するな!
その挫折が、人間の幅を広げるのです。
お父さんお母さんも、どうしても心配なら、息子さんのところに顔を出して、親として心配しているところを彼に見せてあげてください。
彼は彼なりに、こんなに心配してくれている親の姿を見て気付くはずです。感じるはずですよ。
― って言ってあげた。
ご両親もホッとした顔になり、「そうですね、ありがとうございます」と言って、元気に帰って行った!
ここまで入り込むのが、中小企業ならではの人材育成方です。
大手気取りの短期的なドライな付き合いでは、普通の子は絶対に育ちません。
我々の会社に入ってくる普通の子たちを、10年20年30年という長いスパンをかけて自立できるプロに育てる。
それがサトカメ流の人材育成法ですね!
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私は9月にひとりの優秀なメンバーを失いました。
有名雑誌に店が紹介されて、一気に経験したことがないような忙しさになりました。
それに対応するため頼りになるスタッフだったので毎日のようにシフトに入ってもらいました。
ハードな日々が続きました。
4人で回すべきところを、人がいないので2人で回したりしました。
結果、彼は持病の腰を悪くして歩行さえ困難な状態になってしまいました。
それでも歯を食いしばり、腰を悪くしたことに非を感じる彼。
私もそれなりにいたわったつもりで休職ということにしました。
しかしそれは名ばかりで人がいないときにこちらの都合で月に1~2回シフトを組んだ上に、
ついつい彼に以前の素晴らしい動きを期待してしまいます。
そんな状態がずるずると続き、半年近く経った今年の9月の忙しかった日曜日の4日後、
私の不在時に彼は無言で鍵と制服と退職願を置いて、店を去りました。
電話にも出ないため、私は怒り狂って
「あの野郎、逃げやがった!なんて卑怯なヤツだ!クビだ~!」
と叫んでいました。
彼は自分を守る必要があったのです。
しかし私に面と向かっていうと本音もいえず結局は説得されて仕事を続けてしまう。
だからそうするしかなかったのです。
私は店をオープンして僅か2ヶ月で入院しました。
私の場合はそうやって一度逃げたのです。
それを逃げたのではなく、立ち向かっていたと当時は感じていましたが、
彼の件があってからは、もっとも都合の良い方法で逃がしてもらったと考えるようになりました。
その後、彼とは2人できちんと話をして、私は気遣わなかったこと、
そして何よりも愛情不足であったことを彼に詫びました。
そして盛大に送別会をやって送り出しました。
彼には大学4年間勤めてもらうことを決めていたのに、わずか1年3ヶ月で去らせてしまいました。
目先の売上などにとらわれず、彼の社会人のスタートであると考えて、もっと長い目で見ていれば・・・
逃げることの必要性、
そして経営者としては逃がしてあげることも大切なことだと感じた文章でした。