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コンサルタント会社を経て、とんかつ豊かを起業した飲食マーケッター小林孝志のブログ

第36話 40歳でリタイヤした男
先日、海外から帰ってきている友人をとんかつ豊かに招待しました。

品評とスタッフの研修も兼ねて、デビュー直前のコースメニューを一緒に食べました。
ワインを飲みながら食べたコースメニューの味は大満足のレベルでしたし、
何よりも時間がゆっくりと流れるように感じられました。
そういう意味では商品としては狙い通り!
そしてそのゆっくりした時間の中で「40歳ニート」の話をじっくりと聞きました。


彼とは船井総研時代の同僚で私とは同級生です。
昨年、仕事をやめてマレーシアのペナン島に家族4人で移住しました。
会社を辞めたのではなく、仕事することをやめてしまったのです。

生活は今までに稼いできた資産を運用しているようです。
そういう計画を立てて、そのために仕事をして、無駄遣いもせずにきたわけで、
そういう生き方として受容するのみです。


マレーシアでは豚肉が1キロで350円くらいで買えるそうです。
日本と比較すると1/5くらいの物価でしょうか。
また家で食事を作るという文化がないため、ほとんどの人が毎食とも外食をするそうです。
ゆえに夫婦で300円もあればたらふく食事ができるような文化があるようです。
住民は主に華僑なので、中華料理がとにかく旨いそうです。
他にも子供達が通うインターナショナルスクールの話やら、
首都のクアラルンプールの都会度合いやら、
日本国憲法についての話やら、
7年ぶりに子供ができた話やら、
色んな話を聴きました。



と、そんな話を聴きながら、私は感じました。


日本にいれば、特に生活の知恵を使うこともなく生活はできます。
海外で生活するとなると、さまざまな知恵と行動力は必要です。
言葉も通じず、文化も違う場所で家族4人が生きています。

しかし彼は仕事はしないものの「家族4人で生きる」という
人間の一番大切でシンプルな活動をしているように感じました。


だからなんというか、とても自然なのです。
気負いもなければ、焦りもなく、しかし堕落しているわけでもなく、
しっかりと生活をしている。
仕事を中心に生活を形成しているのではなく、
家族の生活をど真ん中において自然体で生きています。
子供が生まれることについても、ただ子供が生まれるとして受け容れているだけです。



仕事=生活と思い、入院中に気負い、焦り、
何にもできないことを歯痒く思っていたことを思い出します。


何もしないときは何もしないままでいる。
何かするために、
何かしていたいために、
何かを探す必要はない。
何かしなくちゃならなくなれば必要なことをする。


それが生きるということだよな。
と、彼を見ていて感じました。


もともとコンサルタントとして稼いでいただけあって、
仕事をしなくても鋭いビジネスセンスは持ちつづけています。
しかし生きることそのものがビジネスセンスになっているように感じました。



彼が放電することなくしっかり充電していたことに驚きましたし、
私も自然な生活について考えさせられた再会でした。
by tonkatsuyutaka | 2007-07-21 12:26
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