第27話 法定速度ってすごい! |
当然のことですが、帰りは夜中になっています。
私の夜間の運転はとてもゆっくりです。
国道を走る私の車はビュンビュン追い抜かれていきます。
以前なら逆の立場だったんだよなぁと思いながら、目の前を凝視して慎重に走ります。
私は運転が大好きです。
いわゆる飛ばし屋タイプでした。
といっても車をイジって夜な夜な山道を走るのではなく、
単純に普通の道で、自分の技術と車の能力の範囲内で飛ばします。
具体的に書くとヤバイので書きませんが、
深夜に大阪から名古屋までは新幹線と変わらないくらいの時間で到着したことがあります。
私より速く走る車を見たことはほとんどありません。
見るとしたらちょっと怖い感じのメルセデスベンツくらいです。
それでもスピード違反で捕まったことは一度もありませんでした。
2年前に病気をしたときに、静脈が詰まったことで脳が腫れ上がり、
頭蓋骨内で目の神経を圧迫して、あわや失明というところまでいきました。
日ごとに視界が暗くなっていき、ついにはテレビが見えなくなりました。
脳内科から脳外科に移り、緊急で開頭手術をして、なんとか視力は失わずに済みました。
が、そのときの圧迫が元で目の能力はかなり低下しました。
まず左眼は一部の視野が欠けています。
また両目とも明るさへの反応が鈍くなりました。
どうも瞳孔の反応が鈍いため、急に暗くなってもついていかないのです。
いわゆる視力は全く以前と同じなのですが、そうした微妙に見えにくい状態が発生します。
昼間の運転は全く問題はありません。
でも夜は光に対する反応が鈍るため、対向車のヘッドライトがとてつもなく眩しいのです。
そしてすれ違い終わると次は真っ暗のままで見えなくなってしまいます。
時間にするとホンの0.5~1秒くらいのことですが、夜の運転はとても慎重になりました。
そんな時にスピードメーターを見ると、その速度は常に法定速度なのです。
法定速度を守ろうなんてこれっぽっちも考えてないのですが、いつもいつも見事に法定速度です。
広くて大きな道では気がつくと60キロだし、住宅街では30キロです。
どんな道を走っても面白いほどぴったりそれぞれの法定速度になっているのです。
今まではスピード違反で捕まらないために法定速度はチェックしていました。
決して安全のためとかそんなのではありませんでした。
今は自分が事故を起こして人を傷つけたりすることがないようにと思って走ると、
ぴったり法定速度になっているのです。
そこで感じたのは、これも理論なんだということ。
安全に走るための速度が「法定速度」として理論化されているんだということ。
世の中には理論や法則というのがたくさんあります。
商売においての理論、法則もたくさんあります。
若かりしころに自分の能力を過信して法則から外れたことをやっても
ライフサイクルの法則通りに企業は成長曲線を辿ります。
導入期で調子に乗っても、浸透期を迎えられずに終われば、ただの流行だったということ。
ピーク期を超えて、安定・後退期を迎えることを見据えた企業経営が必要です。
とんかつ豊かはまだまだ導入期の真っ最中のお店です。
調子に乗るときは徹底してやらないと浸透期さえも迎えられないことも承知の上で、
自社の今のポジションに則った商品戦略、サービス戦略、販促戦略、教育戦略を
構築しないといけません。
そこにはきっと法定速度のように何かルールが決められているはずです。
それを見つけながら成長曲線を法則通りに歩んでいきたいと思います。
私の目の力はおそらく60~70歳代くらいだと思います。
目の能力が人生の後退期を迎えて、今まで車の運転が傍若無人であったことを知りました。
でもそれは調子に乗れるときにさんざん乗って、それでも無事に生き残ったという実績があるから知り得たことです。
こんな見通しの良い広い道で制限速度60キロなんてありえへん!と制限速度を全く無視して
ぶっ飛ばし続けていたら、事故を起こして死んじゃっていたかもしれません。
でも死なずに済んだ。
これからは病気のおかげで事故は起こさずに済むような気がします。
同じように我が社の経営も今はまだまだぶっ飛ばしても大丈夫!
いつか飛ばせなくなるときが来るまで徹底的にやろう!
ただし死なないようにだけ十分に注意する必要があります。
なんて、エラそうなことをいっておきながら、
春先のある天気の良い日曜日の朝に、
調子に乗って法定速度60キロのところを
36キロオーバーの96キロで走って、
ネズミ捕りにあいました。
一発免停。罰金7万円・・・
皆さん、
法定速度はくれぐれも守りましょう・・・