コンサルタント会社を経て、とんかつ豊かを起業した飲食マーケッター小林孝志のブログ

第99話 大阪の商魂?
先日、5年ぶりくらいにユニバーサルスタジオジャパンに行ってきました。
私はディズニーリゾートにはここ5年で3度ほど行っていますが、
USJには地元なのに(地元だから?)長らくのご無沙汰でした。


人を楽しませるためだけに存在するテーマパークという施設。
その商売をするのにどういった集客をするのか、どういった商品を揃えているのか、
自店のヒントになるものを探すために行ってきました。
ただしこむずかしいことを考えずに自らがどっぷりと楽しむことを基本姿勢にして。


平日というのに想像以上の人出。
アトラクションに乗るのには随分待たされそうです。
それを避けるにはディズニーランドでいうところの「ファストパス」をとらねば・・・

そう思っていると、チケットブースで「エキスプレスパス」なる商品を勧められました。
内容はUSJで人気のライド系アトラクション7種類に列に並ばずとも入場できるという商品。
要はファストパスを販売しているのです!

価格は曜日等によって変わりますが、この日は7つ全部に入れるものは3,700円。
4つだけ選択出来るものなら2,200円です。
とりあえず4つ選べるものを購入しました。


私は以前ディズニーランドに行った時、熊のプーさんのファストパスを取るのに2時間並んだ経験があります。


大阪人は基本的に“イラチ”です。
待つという行為自体が苦手です。
早く入るためのチケットを取るために2時間も並ぶなんて、本来なら全く意味不明の行動です。
ディズニーランドのアトラクションはそれでも行きたいと思わせるだけの商品力を持っています。
しかしホンネのところは「その券売ってくれや~」でした。


USJはそうしたお客様のホンネ=ウオンツを商品にしてしまったのです。

ちなみに、
1つ目のETアドベンチャーでは80分待ちのところを2分。
2つ目のJAWSでは70分待ちのところを1分。
3つ目のスパイダーマンでは110分待ちのところを30秒。
4つ目のジュラシックパークでは90分待ちのところを5分。

普通なら合計で350分待たねばならないところを8分30秒で入れることができました!
5時間41分30秒もの短縮です。
スゴイ!!!!
時給でいうと386円です!


しかもこれがなければ残るアトラクションに入る時間的余裕もなければ、並び疲れて行く気にも
なれなかったと思います。
残る全てのアトラクションにも並んで入れましたから、もともとの入場料5800円そのものの価値も大幅にアップしたことになります。


チケットブースで勧められた時は「なんちゅうがめつい商売しおんねん!」と思いました。
しかし実際に買って使ってみると素晴らしい商品であることが分かりました。



なにかにつけて東京ディズニーリゾートと比較されるUSJ。
最寄駅までの電車から見える景色は寒々しく、園内からは高速道路が見えています。
規模や立地条件を含め、夢の世界に浸るという点ではディズニーリゾートにはかないません。

列に並んでいる若い女性グループやカップルから「あ~ディズニーランドに行きたくなってきた」という会話が何度も何度も何度も聞かれました。

それが証拠に、ミッキーのかぶりものをするお客様がうじゃうじゃいるディズニーに比べて、
USJではスパイダーマンのかぶりものを10人くらい見かけた程度です。


テーマパークとしての圧倒的一番店である東京ディズニーリゾートの真似事をしていても戦いに
なりません。
まずは地元大阪で受け容れてもらうことが可能な商品開発。


そのひとつがこのエクスプレスパスという商品だったのです。
入園価格5800円の40%程度である2200円という価格設定も絶妙です。
これが20%程度の1000円なら誰もが買ってしまい、全然エクスプレスになりません。
逆に60%を超えて3500円になると買う人が激減すると思います。


私は最近、自分で購入した商品の中でもっとも素晴らしい価値をもった商品だと感じましたし、
ジャパンではなく「ユニバーサルスタジオオオサカ」になっているという感じを受けました。
いろいろなショーでも大阪弁丸出しで、気取った雰囲気が随分なくなっていました。
これこそが個別化です。



この学びを自店の商売にどう利用するか、じっくり時間をかけて考えてみます。


行列ができているときに500円払うと順番飛ばしができます!
いくらなんでもこれは通用しそうにありませんので・・・
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# by tonkatsuyutaka | 2007-10-18 00:06
第98話 お子様をどうする・・・?
土日はお子様連れのお客様も多くはありませんがいらっしゃいます。
先日も2組ながらいらっしゃいました。


開店と同時に入られた1組目のお子様連れは6歳と4歳の男児に両親と祖母。
4歳児がかなり騒がしかったので、早めにご両親に
「申し訳ありません。静かで落ち着いた雰囲気を売りにしている店ですのでよろしくお願いします」
とお伝えしました。
すると両親もおばあちゃんもとても気にしてお子様にかまっていただき、最初とは見違えるほど
おとなしくなって食事をしていただけました。

かえって隣のテーブルについた女性3人組の方が賑やかなくらいでした。


その後、来店されたご予約の4名様は3歳くらいの男の子と両親、祖父という構成です。
予約の関係でカウンターへのご案内ということも電話で伝えていました。
しかし、その子供さんが最初から金切り声で大騒ぎ。
特にカウンターですので店内中に響き渡ります。
そこで同じようにご両親に先ほどと同じようにお静かにしていただくようお伝えしました。


しかし一向に静かになりません。
ますます声を張り上げます。
そのため、再度お願いに行くとお母さんが「申し訳ありません」といって席を立ち、
お子様を抱っこして表に出てあやし始めました。
しかし子供はそのことで泣き叫ぶようになってしまいました。
たまりかねてお父さんも一緒に出て行って子供をあやしています。
店内にはおじいちゃん一人残されました。


オーダーから約15分、注文の品も出来上がりまもなく提供というところで、おじいちゃんが突然、「子供もあんなんやからもう帰る。ビール代だけ払うわ。」
といって席を立ちました。
「もう揚げあがっていて間もなく提供です。それは困ります」
私がいうと、
「子供が入ったらあかんなんてどこにも書いてないやないか!予約の時にそういわれたらこんなとこ来えへんわ!晩飯を食われへんようにしたんはお前やないか!」
お客様がいっぱいの店内で大声で言われました。



スタッフが一生懸命作ったとんかつです。
そんな理由で帰すわけには行きません。

私も少し怒りを覚えながらも
「お子様でもとてもおとなしいお客様がほとんどです。入店を断る気もありません。お客様自身が店内に入って周りの雰囲気を見てオーダーしたわけですから、お代金はいただくより仕方がありません。お客様が頼んだとんかつですよ。」



お子様連れといっても千差万別です。
このブログの「第56話 ついにお客様を帰してしまった・・・」でも書いたように子供には何ら責任はありません。
親の躾。
これに尽きると思います。



幸い、お子様の両親は
「申し訳ありません。持ち帰りますのでパックに詰めていただけますか」といっていただけました。
パックに詰めて外までお持ちしたときも
「本当にご迷惑をおかけいたしました。申し訳ありません」
と、ずっと頭を下げた姿勢でいらっしゃいました。


その姿を見たときに、店としても少なからずアナウンスをしてあげる必要があるなぁ、と感じました。確かに、どこにもお子様お断りとは書いていません。
でも決して歓迎しているわけでもありません。

そうした中途半端な状態がお客様を悪者にしてしまったのかもしれません。



早速、ホームページのお知らせ欄に
「一人で食事ができない小さなお子様連れはお断りしております。」
という文言を加えました。


正直とても心苦しいです。
家族団欒で楽しく食事をして豊かな時間を過ごして欲しいという気持ちが大いにあります。
しかしながらそうしたお客様を中心に商売をしようと思っているわけではありません。
逆に経営者として狙った客層とは相反する客層だいうことも分かっています。
そういう意味では経営者として守るべきものがあります。
何かを犠牲にしないと守れないものがあります。



客層だのマーケティングだの、うんぬんかんぬんの理論を超えた部分で
経営の難しさを体感させていただいたありがたいお客様でした。
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# by tonkatsuyutaka | 2007-10-15 12:43
第97話 真の自信は自覚から生まれる
先日、アルバイトリーダーの24歳の女性スタッフと話をして気付いたことがあります。
彼女曰く、いろいろな意味で自分に自信が持てないというのです。

そんな話を18歳の女子大学生と夜な夜な話をするというのです。

確かに、話を聴いているとグダグダの展開です。
あんなことをしたい、
こんなことをしたい、
色々なものに挑戦したいけどやってもできそうにない・・・

なぜなら
「自分に自信がないから」

まるで小噺のオチのようです。



私にとっては???の連続です。

仕事はできるし、常識もあって、考え方もしっかりしています。
人を思いやる気持ちや優しさも人1倍強く、とても気がつきます。
存在感も強く、特に若い人からとても慕われています。
変な言い方かもしれませんが、とてもとてもちゃんとした24歳の女性です。


なんで自信が持てないんだぁ????????

その場では気付かなかったのですが、その後もずっとなぜ自信が持てないのか考えていました。



そこで気付いたのは、彼女には自覚がないということです。

私から100%の信頼を得ている職場のリーダーであるということ。
国家資格試験を受験するということ。
そしてなによりも24歳の女性であるということ。

少なくとも私に関わりのあることだけでもこれだけの立場を持っています。

それらを全て受容し、自覚すれば自信なんていくらでもつくし、
逆に自信なんてなくても、他人が勝手に力を認めます。


私は彼女が受験する国家資格試験についてのコーチをしています。
今まで割りと緩やかにしていましたが、私自身も彼女を合格させるという自覚を持って、
つい先日から一気にハードスケジュールを組みました。
そうすると彼女もノってきます。
1ヶ月の勉強量を1週間でこなせるようになりました。
内容的には同じ問題を何度も繰り返すサーキットトレーニング方式です。
1回目は40%くらいだった正解率が2回目は67%、3回目はなんと94%です。


これは彼女にとっても私にとっても大きな自信です。
このやり方をずっとやれば絶対に合格できる!という自信が持てます。




結局、何もしていないのに自信なんて持てません。
それで自信たっぷりの人間はただのアホです。
自分の環境を受容し、自分の立場を自覚して、そのうえで実践、実践、実践です。


あらゆる資格浪人がそうであるように、学生でない以上は仕事をきちっとしながら合格を目指す。
それが現実です。
そのために仕事の後も徹夜に近い状態で勉強をしています。



私自身、健康に爆弾を抱えている身です。本当に彼女に助けてもらっています。
今まで何度も遊びの約束を断ってでも店のために尽力してくれました。
感謝、感謝の連続です。

だから私も真剣に関わっています。
絶対に国家資格を合格させる、
しかもきちっと社会人として仕事もしてもらう。



そうした自覚を持って動き始めたら、
彼女もそれに応えてくれている。


それが私の自信になっているのです。
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# by tonkatsuyutaka | 2007-10-13 12:11
第96話 決着をつけるということ
船井総研にいたとき上司である宮内亨氏から、ことあるごとに
「決着をつけろ!」
と言われました。

人というのはなんとかごまかしごまかし引き延ばしながら、その場を逃げる方が楽だと考えます。
きっちりした答えを出さなくても、うやむやにしておいた方が無難・・・

私ももともとそういうタイプの人間でした。


だからコンサルタント勉強会なんかで、相手にしつこく食い下がるのを止めてしまう私に対して
「決着のつけ方も知らないから、お前はいつまでたってもダメなんさ!」
と大勢の前で何度も何度も怒鳴られました。



決着をつける。

それはまさに白黒ハッキリさせること。
ALL or NOTHING
得るものもあれば失うものも大きいです。


きっと失うのが恐いから、
そして失って惨めな姿を見られるのが恥ずかしいから、

多くの人は決着をつけないのだと思います。



しかし経営者になると変わるものです。
決断をしないと一歩も前に進めません。
決断とはその都度の決着です。


商品の改廃について、
価格設定について、
販売促進策について、
人のことについて、
そして自分について。

サラリーマンの時では考えられないほどの決着をつけてきました。


ことの大小の問題ではありません。
ひとつの目の前にある問題について、潔く決着をつけるということです。
決着をつけた先のことを考えはじめると、とても不安で決断できません。
しかし今は先が見えなくとも、決着をつけると環境ががらりと変わるという経験をたくさんしました。


「決着をつけることで得るものもあるが失うものも大きい」
そのように思っていました。
しかし何度も決着をつけていくうちに
「決着をつけることで失うもの以上に得るものが大きい」
ということが分かってきました。


今も目の前には決着をつけるべき事由がたくさん存在します。
中には店のために引き延ばしにかかっているものもあります。


相手がお客様であれ、
取引先であれ、
スタッフであれ、
自分自身の事であれ。
そうしたこと全てにきっちりと決着をつける。


それは
お客様のため、
商品のため、
スタッフのため、
店のため、
そして私自身のためです。


早めに決着をつけて、次の手を打ち、そこに集中する。


それこそが成長のために必要なエネルギーなのだと思います。
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# by tonkatsuyutaka | 2007-10-11 08:59
第95話 史上最高の売上よりも嬉しかったこと
昨日、当店はじまって以来の売上最高記録を樹立しました。
売上金額はもちろん、客数、売上商品点数も過去最高。
過去最高の3冠王です。


忙しくなりそうな予感はありました。
前日までの予約は少なかったものの、当日の営業開始前までに受け付けた予約は全部で6件。


開店前から行列ができていて、その行列のお客様だけで満席。
さらにテイクアウトの注文も続々と入ります。
4200円の「イベリコ豚のロースかつ」や4800円の「特撰ロースかつ3種盛り」などの
高単価商品のオーダーに加えて、ビールやサイドメニューのオーダーも順調に入ります。


その後も行列は続き、一時は6組14名まで伸びて、1時間待ちの状態。
それでもお断りした8名の団体を除いて、全員にお食事をしていただくことができました。



もちろん、サービスが行き届いたとは決していえません。
提供には最大45分かかったお客様もいらっしゃいます。


しかし、とんかつがまったく出ていない席を回りながらも、
私はキッチンに対して全く「イライラ」することがありませんでした。


それはキッチンのスタッフを最高に信頼しきっていたからです。
現在の店最高の実力を思う存分発揮しての結果だからです。
それは私そのものの実力と一致しています。
「第70話 反比例を比例に変える」で書いたときの状況とは全く違います。


だから表現は変かもしれませんが“堂々と”提供が遅くなっていることを謝ることができました。



昨日のキッチンリーダーは何度もこのブログに登場している阪大生の星山佳慎君です。

作業速度、正確性に加えて、一歩先を読んでの動きは店でナンバー1のスタッフです。
ただし今までそれは「自ら動く」ことにだけ使われていました。
しかしここ最近は指示を出して「人を動かす」ことができるようになりました。


キッチンからは星山君が他のスタッフに指示を出している声が聞こえてきます。
それが実に的確です。
だから私はキッチン内をのぞく必要もなく、めいっぱいホールサービスに集中できました。



本来は平日限定にしていたお一人様7500円のコースまで私の判断で予約を聞いていました。
食器も食材も調理方法も盛り付けも、全てがレギュラー商品とは異なるため、
完全にオペレーションが狂います。

まだまだ満席で次々にオーダーが入る中で、星山君はそれさえもそつなくきちんとスタッフに
指示を出しながら、完璧な商品を作り上げてくれました。


そして最後の最後までキッチンの集中力は途切れることはありませんでした。
それはキッチンのみんなが星山君の鬼気迫る集中力を見ていたからだと思います。


お客様が全員帰られて、売上を読み上げた時は全員で歓声を上げて拍手をしました。
私は星山君に近寄り、力強く握手を交わしました。


昨日の実績は彼がいなければ無理だったと思います。
それほどまでに彼は急成長をとげました。
それがそのまま店の急成長につながっています。



売上というのは水物です。
しかしスタッフの実力はぶれません。


昨日のとんかつ豊かは、きっと時間あたりの席売上で考えると日本一レベルだったと思います。
18歳2人とそれを率いてくれた20歳の星山君。
この阪大トリオがそんな偉業を成し遂げました。


うず高く積みあげられた食器を前にして、スタッフ2人に対して片付けの指示を出す星山君。
疲れきっているはずなのに、みんながテキパキと動いています。


「一体化している・・・」
私は思わず身震いをしてしまいました。


売上が最高だったことよりも、
はるかに嬉しくて嬉しくてたまらない一日でした。
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# by tonkatsuyutaka | 2007-10-08 06:51