コンサルタント会社を経て、とんかつ豊かを起業した飲食マーケッター小林孝志のブログ

第5話「自分にしかできないこと×お客様のウォンツ=繁盛」の法則
とんかつ豊かは10坪14席の小さな店です。
ところが船井総研でコンサルタントをしていた時の指導先は大きな店ばかり。
開店に際して、指導先の店でも売上№1の50席の店をモデル店にしました。
1日平均350人、多いときには800人が来店する超繁盛店です。
その回転率なら当店でも1日に100人~250人の来客がある計算です。


それならばと、その店と同じく、
大きな2升炊きの炊飯器を購入しました。
大きな60人分の味噌汁ウォーマーを購入しました。
大きな10Lのウォータークーラーを購入しました。
とても高価なビルトインの浄水器を設置しました。

わずか14席の店の設備を50席の超繁盛店を基準にそろえたのです。


しかしオープンすると、お客様は1日多くても40人。
それでもいつ100人来るかも分からない。
それに備えて来る日も来る日も昼も夜も2升のお米を炊きました。
2升というとお茶碗40杯分。
お代わり自由を謳っているので客数が少ないときでも2升を炊いていました。
もちろん営業開始前に炊いたご飯は閉店まで残ります。
原価計算に基づいてはじき出した米の仕入れ値は10キロ2,500円が限界。
正直いってかなりの安物です。
炊きたてはまだ美味しいのですが、3時間経過すると黄ばんでひどく美味しくなかった。
だからお代わりもなく、廃棄の連続。

お代わり自由の味噌汁も同様です。
60杯分の味噌汁を作り、事前に汁碗に乾燥わかめと刻み揚げとネギをセットしていました。
しかし85℃のウォーマーに3時間も置くと、煮詰まるし、味噌の風味も飛んでしまいます。
風味の飛んだショボイ具の味噌汁は誰もお代わりを頼みません。
作るためと廃棄するための時間も昼と夜それぞれに使っていました。


それでもとんかつが美味しければお客様は増える!と思い込んで、
超繁盛店の基準を変えないまま、私が病に倒れ、やむなく休業になったのでした。
結局、1日の平均来店数は38人、最高客数は70人止まりでした。



長期間の入院中に私はゆっくりと考えました。

俺は何を売ってるんだ?
とんかつか?
いや違う、とんかつ定食だ。

ということは、いくらとんかつが美味しくても
ご飯や味噌汁がまずければ「まずいとんかつ屋」になってしまうよな。
ようやくそのことに気付きました。


そこで夜だけの営業時間に変更した再オープン時に
とんかつ定食としてどこまで美味しくできるかをコンセプトに改良を加えることにしました。

わが店は小さい。
小さいがゆえに大きな店より有利なことは何か?
そしてとんかつ定食にお客様は何を望むだろうか?
そのことについて真剣に考えました。


とんかつ豊かもとんかつチェーン店もご飯、味噌汁、キャベツのお代わりが自由である。
しかし、何でお代わりが自由なの?
ファミレスでご飯のお代わりはできないよ。
牛丼屋さんはご飯大盛りは有料だよ。

なのに、なんでとんかつ屋はお代わり自由にしなくちゃいけないの?

お代わり自由にしなくちゃいけないから、美味しくないんじゃないの?

本当に美味しいものを、適量食べればいいはずなのに・・・


よし!まず、お代わり自由をやめちゃおう!

とんかつ屋の常識を打ち破った瞬間です。



そう決めて、まずはご飯を変えました。
飲食店の方が聞いたら腰を抜かすかもしれませんが、10キロ8千円の米にしました。
常に炊きたてを提供するために、1升炊きのガス炊飯器で3合づつ炊くことにしました。

味噌汁はオーダーごとに小さな鍋で作ることにしました。
そうすることでシメジやかぼちゃやサトイモなど火の通りにくい食材まで何でも使えます。
最低4種類の具だくさんの熱々出来立て味噌汁です。

キャベツもその日に切ったもののみを使うようにしました。
足りない分を手切りして出すようにしました。

自家製ドレッシングは具の量が倍になりました。

漬け物を紀州南高梅干しの4Lサイズのものに変えました。



かくして自分自身が本当に食べたいとんかつ定食が完成しました。
揚げ立てのとんかつに、炊き立てごはん、出来立て具だくさん味噌汁、
切り立てキャベツに最高級梅干しです。
ただしご飯のお代わりは1杯まで。
味噌汁とキャベツのお代わりは有料。
それもメニューには書きません。


改めて他店との味を比較して、味(=価値)に妥当な価格をつけました。
そして一般的な大手チェーン店の約1.5倍に決めました。
でも一つ一つの美味しさは2~3倍という自信があります。

こうして手間と原価がいっぱいかかる贅沢な美味しいとんかつ定食に生まれ変わったのです。



しかし始めてみて思わぬ産物に気付きました。

ロスが全く出ないのです。
ご飯は一合から炊けます。
不足しそうになったらお客様に「炊きたてを出しますからしばしお待ちを」と言うと、
平気で30分待っていただけます。
味噌汁もキャベツも廃棄ロスはゼロです。


ロスを減らすために変えたのではありません。
美味しいものを作り上げたら、ロスが消えたのです。


原価率のことを考えて安いものを使っていたから、ロスが出ました。
原価率など考えずに、自分達にしかできない最高の美味しさを求めた結果、
安い食材を使い効率ばかり考えていた時に比べて、粗利率は実に11%も向上しました。



そうです。
計算ばかりして、自店の本質を完全に見失っていたのです。
店の規模や立地条件、そして何よりも経営者の方針によって、本質は全て違うはず。
もともと最高に美味しいとんかつ屋になろうと思って始めたのに、
いつも間にか超繁盛ファミリーとんかつ店の真似事をしていたのです。

再オープンして価格が上がったことで、客足は伸び悩みましたが、
千客万来ではなく一客再来に全力集中したこと、
また販促戦略に基づいたテレビ出演が決まったことなどで
オープン3ヶ月目に一気に伸びました。

夜だけ3時間の営業時間で65人の客数を記録しました。



小さな店であること。
頭ではなく、舌で考えたこと。
その結果、大手とんかつチェーン店を競合店として意識することがなくなりました。

だって、考え方が違うもん。




さて次は何をしてお客様のウォンツをくすぐろうかな~
それを知るために早速スタッフを連れて勉強だ。



競合になりそうな京都の超繁盛イタリアンに行こうかな?




ところで税理士先生。



経費になりますよね?????????
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# by tonkatsuyutaka | 2007-06-03 09:30
第4話 本日の揚げ場職人は、入社1週間の18歳女子短大生!
中学生のときにバスケットボール部に入っていました。
1年生のときはボールを触らせてもらえないので、
グラウンド50周なんて当たり前くらい走り、
さらに腹筋だ、腕立て伏せだ、うさぎ跳びだと、
日が暮れるまでひたすら体を鍛えまくる毎日。


2年生になってやっとボールを触れるようになると、
今度はひたすらドリブルとシュート練習の日々。
もちろん基礎的なランニングや腹筋なんかも欠かさない。

かくしてとにかく上手く、そして強くなった。
走ったおかげでジャンプ力もすごかった。
みんな陸上部並に短距離走も持久走も早かった。
みんなドリブルやシュートが上手かった。
前年のチームよりもはるかに華麗で上手だった。


しか~し・・・
試合には勝てなかった。
マジで笑うくらい勝てなかった。
15連敗くらいまでは記憶がある。


負け癖がつくと恐いもので、負けても「また負けた」で終わり。
そもそも、今日も勝てないんだろうなぁと思って試合をしていた。
練習をサボらずやってとっても上手なのに、だ。



勘違いしてもらっては困るのであえて言うが、これは精神論の問題ではありません。



結論を言うと、物理的、有機的に「勝つ練習」をしていなかったのです。


一人一人が強く上手くなる練習はしたけど、チームとして勝つ練習はしていなかった。
相手と1対1の個人技の勝負には勝てた。
華麗なるドリブル突破!
そしてそれに満足。

本来はは5人でゆっくりとパスを回しながら攻め、
そして5人で攻めてくる相手から全員でゴールを守る。
攻撃にも守備にもフォーメーションがあるものだ。


しかしながらわが中学のバスケットボール部では
そうした練習を「い・っ・さ・い」やってこなかった。


まるでこぼれ球に群がる子供の試合。
ボールに触ったら最後、俺がヒーローだ~!って華麗なドリブルで
たった一人で統率された5人の守備隊に突っ込んでいく・・・
しかし日々の練習ではシュートを邪魔する相手さえいないから当然叩き潰される。
全然点が入らない。
でもシュートを外しても単にシュートが入らなかったことが悔しいだけ。


だから勝てなかった。
今思えば勝てるはずもなかった。
勝てたら奇跡だ。


そうしてありえないくらいド田舎の部員わずか6人のチームに1回だけ勝って、
3年間のバスケット部生活は終わった。




さてこれを経営に置き換えます。

経営においての試合の勝ち負けとは儲かるか損するか、この1点に尽きます。
プロセスがどうあれ、とにかく儲けなきゃ始まらない。
上手であることよりも、とにかく勝つことに執着するのみ。

ガキんちょのお遊びとは違うのです。
自分と家族の生活がかかっているまさに真剣勝負の場。


必要なのは我こそはヒーローである、という存在ではありません。
全員が勝利に向かって勝つための練習、
つまり儲けるための訓練をしているか、なのです。

それは逆にいうと経営者がそうした物理的な訓練ができる環境と機会を与えているか、
ということになります。
研修であったり、マニュアルであったり、教育システムそのものだったり、
会社の規模や歴史や経営者の考え方によってそれぞれだと思います。



とんかつ豊かは本当に小さな小さな店です。
しかし夢と目標は馬鹿デカイです。
ゆえに教育システムも手探りしながら着々と進化しています。

今、学生アルバイトは入社3日間でとんかつを揚げられるようになります。
優秀な人を採るから・・・
ではありません。
教育システムが出来上がっているから・・・
でもありません。


すごくいい原料を使うので技術によって左右されないからなのです。
揚げ時間も全て決まっています。
低温の油で何分何秒入れて、高温の油に何秒。そして油切りを何分間・・・こんな感じです。
その通りにさえしてもらえれば、材料のおかげで美味しいとんかつができるのです。
要は誰にだってできるのです。


普通の人はとんかつを手揚げするというと職人の世界だと思ってるようです。
実際に修行を重ねて苦節30年で極めたとんかつ職人なる人物もうようよいます。
テレビや雑誌でそういう人が作ったとんかつを崇めたてる・・・作られた常識。


だからアルバイトもまさか自分がとんかつを揚げるとは思わずに、
ホールでお茶を出せばいいと思って応募してきます。

でも先輩アルバイトスタッフに教えられて、
わずか3日で職人と同じ仕事を任せられます。


えっ?!もう揚げるんですか?!という不安のなかで作業をすると、
これがすごく上手に揚がってしまうのです。

そしてレジでお客様においしかったわよ!といわれて、
もう、これで仕事が楽しくなるのです。


面白いもので、そうして自信を持つと
「この肉は少し厚みがあるので15秒ほど長めに揚げよう」とか、
「肉のドリップを減らすにはどうすればいいか」なんてことを考えて勝手に動き始めます。
休みの日にとんかつチェーン店で自分が作るとんかつとの味の違いを
確かめに行くようにもなります。


しかも私は技術的な研修には一切関わりません。
研修の指導とフォローは全てアルバイトスタッフに任せています。
私は、彼らを本気で誉めて、本気で認めて、その気にさせることに注力しています。
そうすると本当に動きがよくなりますし、教えたスタッフも自信たっぷりになれます。


ひたすら自分の技術を磨く職人さんはそれはそれですごいと思います。
でも私はそんなことより、勝つためのことを考え、
教える仕組みを作り、教え方の教育をしています。

そうすると自然に勝つことが楽しい集団になるものです。
勝つことが当たり前の集団になるのです。


優秀な人材を集めることで勝つのではなく、
勝つことが当たり前と思ってる人材こそが会社にとって優秀なのです。




身長168センチながら、高さ3m5cmのバスケットリングに届く抜群のジャンプ力を、
来る日も来る日も厳しい練習に耐えて手に入れた幼き日。
その能力は「チビのクセにすげー!」って相手に思わせるために
試合前の練習でリングにぶらさがる懸垂パフォーマンスとして使っていただけ・・・



ポテンシャルの無駄遣い・・・



ただのアホ・・・?
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# by tonkatsuyutaka | 2007-06-02 09:21
第3話 今月の目標は?
今日から6月。(ちなみに6月1日は親父の75歳の誕生日です。おめでとう~!)
私は毎月必ず目標テーマを決めてその月に挑んでいます。
それは売上目標とか粗利目標とは違って、イノベーションの目標です。


もともと1ヶ月という区切りが大好きです。
まず大きく前半・後半に分けることができるし、4分割にも区切りやすい。
週間と違って月間には必ず支払い業務があるため、ハッキリしやすい。
月の初めに行動を開始して、それが月末の支払いのころに実を結んた。
そんな時の充実感が大好きなのです。



そして1ヶ月もあると何でもできるということ。
1昨年に長期間入院したことで時間の有意義さを思い知りました。
時間の恐さも思い知りました。
時間はモノを作る代わりに、モノを壊すことも知りました。


自然のものと違い、人が作ったものは時間とともに徐々に壊れていく。
だから常に改善と革新をしていかないといけないのです。

改善というのはいわばルーチンワーク。
日々の気付きで少しづつ少しづつ直していくものです。
そんなものにいちいち目標はありません。

それと同時に革新もしなければいけません。
今の状態に満足せずに、新たなことをやりつづけないと、必ず廃れます。
今の一瞬はよくても、周りが成長するので遅れていくのです。


革新といってもそんな大袈裟にする必要はありません。
自分の中で革新であれば良いのです。
世間がひっくり返るような革新など必要ありません。



ちなみに4月の目標は
「お客様に商品の味の説明をしなくても見たら分かっていただけるメニュー作り」でした。
特にキングロースとリッチロースの違いを聞くお客様が多い。
私なら上手に説明できますが、5月以降に一斉に入る新人スタッフには説明できない。
ならばスタッフ教育も含めて整理しておこうと思って始めたことでした。
どうすべきかさんざん考えました。
たまたま休日に妻と行ったコーヒー専門店のメニューを見ていて気付き、
味覚をグラフ化することにしました。
それで目標達成です。



5月の目標はブログでした。
かねてからサトーカメラの佐藤勝人さんにやれやれとしつこくいわれていたのですが、
どうしてネット上で自分のノウハウを公開しないといけないのか理解できず、
またなによりも面倒くさいというのがあってごまかしてきました。

しかし佐藤勝人さんのブログ「一刀両断」が本になると聞きました。
私もかねてよりもう1冊本を書き上げようと思っていたので、
それならば本の下書き感覚で始めようと決意を固めました。
もともとパソコン音痴なのでブログのデザインやら使い方で時間がかかりましたが、
何とかギリギリ5月30日にスタートできました。
それで目標達成です。


そしてそれぞれ革新したことで新たな気付きがありました。
メニューでいうと、男性にはグラフは好評です。
まるで電化製品のカタログのようにグラフと説明文と価格の関係をじっくりと見極めています。

逆に女性には難しいものに感じられているようです。
女性の方はグラフの存在に気付いていないかのように、
メニューの並び、目立ち具合、そして何よりも決めた予算にしたがっての注文が多いです。

男女比がちょうど半々の当店としては、より柔堅を使い分ける必要があると分かりました。



ブログでいうと、インプットだけじゃなくアウトプットこそが勉強だということが分かりました。
日々目に入るもの、聞こえるもの、口にすること、それらからの気付きがまさに勉強です。
それがアウトプットすることで蓄積された情報が見事に関連付けされて整理できるのです。
普段なら何となくそうかなぁ・・・程度だったものが、きちんと理論化できる。
なるほど佐藤勝人さんが自分の勉強になる!といってた意味が実践して分かりました。



こうして一つの目標を掲げると、

なんのためにやるのか?
どうやるか、
いつまでにやるのか?

という実行プランが立てられます。

そして実行するとそこにまた新たな発見があり、
さらに改善を加える事が分かるのです。



でも今月のテーマを決めるためには、日々の勉強がすべてです。
勉強していると問題点が見える。
問題点があるから解決案を考える。

その解決案こそがイノベーションであり、
私の毎月一つの目標なのです。


目標が決まる時はいつも「そうか!」というひらめきから来ます。
でもひらめくには蓄積が必要なんですよね。



毎月の目標は必ずしも達成しません。
それは今の自分に力がなかったかもしれないし、
ただ単に勉強不足だからかもしれません。
そして出来なかった原因と、できるための策を練り直します。

ということに気付くことも成長だと考えています。




ちなみに6月の目標は「とんかつ豊かだけのとんかつ作り」です。
今まででもかなり大掛かりな企画です。
だから創業当時からいるスタッフを巻き込んでやります。
何ができるか全く決めていません!
「豊からしさ」と「超オリジナル」という2つのキーワードだけを頼りに
今日からまた楽しい大冒険の始まりです。




そして、今月は特別にもう一つ。
メタボリックなおなかをスッキリするために晩酌のビールをやめます!
そしてそれでも効果がなければ・・・


また元に戻せばいい?!
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# by tonkatsuyutaka | 2007-06-01 12:27
第2話 10坪・14席・駅近立地・Pなし・しかも夜のみ営業で何ができる?
とんかつ豊かは大阪府の北の外れ、面積の半分を国定公園が占める
箕面市(みのお)にあります。
箕面というのは大阪では有数の高級住宅街といわれています。
でもどちらかというと高齢の資産家が多く、
可処分所得が裕福な人はそれほど多くはありません。

豊かのある阪急電鉄箕面駅周辺は、30年程前はダイエーがあって、
日本初のミスタードーナツができ、商店街もとてもにぎわっていました。
しかし5年程前に約5キロ離れた車での交通至便な場所に
カルフールを各テナントとする超メガSCができて、大きく流れが変わりました。
行政の中心機能もそちらに移転する動きもあります。

そしてご多分に漏れず駅前からダイエーが消え、跡地にマンションが建ち、
商店街は多くの店でシャッターが下りたまま。
唯一の救いは高級スーパー「いかり」があり、遠方から富裕層が集まるので、
まだ華やかな雰囲気は残っている・・・
乱暴ですが、それがマクロ的商環境です。


とんかつ豊かは駅前商店街から少し外れたところにあります。
木造の古いぼろアパート(大家さんごめんなさい!!!!!!!)の1階部分を借りています。
広さは10坪、そのうち厨房が3.5坪ほど占めますので客席部分は12畳ほどです。
そこにカウンターが6席、4人がけテーブルが1つ、2人がけテーブルが2つの合計14つの席。
スタッフは私と学生アルバイトが合計8名。平日は2~3名、土日は3名で運営しています。
営業時間は平日6時から、土日5時半からでラストオーダーはともに9時過ぎです。
夜7時を過ぎるとほとんど人通りは絶え、店の前の道路も昼間以外は交通量はごく僅か。
駐車場はありません。

それが豊かの商環境です。




そんなとこで、


そんなとこだから、

やれることは全部やってやろう。
常識を超えるくらいのことをやってやろう。
という思いが強くなるのです。


呼ばなきゃお客様は来てくれない。
呼ぶためには店の存在と商品を知ってもらわないといけない。
でも広告を打つお金はない。
だからテレビや雑誌に取材にきてもらうと決めた。
取材に来てもらうためには話題がいる。
話題になる商品を作った。
取材が決まった。
お客様がどっと押し寄せた。
押し寄せたお客様に次回来ていただく策を講じた。
また来ていただいた。
3回目に来ていただくためにメニューを変えた。
それをまた楽しみに来ていただいた。

こうしてその都度高まる期待値のその上を行く改善を行いつづけています。


商売の正論である
集客活動と商品力強化とサービス力の強化。
それらが三位一体で上昇スパイラルを続ければまだまだとんかつ豊かは成長します。


だからまだまだ全く出来上がっていない店であり
もしくは永遠に完成がない店なのかもしれません。
来て欲しい客層のお客様で店をぎゅうぎゅうにしたい。
そしてその状態をずっと続けたい。

そのための策はまだまだ発展途上で出し切れていない。


だから楽しい。

だから勉強する。


病気で体調が完全でないから、昼の営業は出来ない。
そのおかげでこうしてブログを書けるし、そのためにますます勉強ができるのです。



10坪14席の小さな店は、
私にとってはマーケティングの理論と実践を繰り返すための、馬鹿でかい実験室なのです。
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# by tonkatsuyutaka | 2007-05-31 11:37
第1話 飲食業は製造小売業。目の前がいつでもマーケティングの現場だ!
製造業が新商品開発する際にもっとも重要視するのがマーケティング調査。
いくら良い技術を持っていても、売れない商品を作ってもだめ。
だから売れる商品を作るために、莫大な費用をかけてマーケティング調査を行い、
さらに莫大な費用をかけてそのニーズにあった商品を開発するのです。
そうしてニーズやウォンツに対応した新製品が出来上がるのです。


でもメーカーの場合はここからが大変。
私が以前いた家電業界なら、自社の販売会社を通じて量販店への売り込みから始まります。
直接買う人ではなく、売ってもらう人に対しての売り込みです。
各メーカーのセールスは量販店で少しでも良い場所で陳列してもらうべく必死の攻勢です。
それはマージンなど、商品そのものの良さとは違う次元での交渉が続きます。


量販店からすると毎日たくさんのメーカー、品種、機種のこうした売込みがあります。
各メーカーを比較して売りやすいもの、そして利幅の大きいものを中心にして
主力販売商品を決めていきます。
さらにはチラシに協賛しろとか、販売応援を出せとか、そういった類の交渉もあります。
そうして本当にその商品の機能価値をお客様に伝えて売るというよりも、
メーカーと量販店の利害を中心に戦略を立てて売るというのが基本です。


買う人はというと、イメージ先行のメーカーのTVCMを見て、量販店のチラシを見て、
ようやくその商品、その店にたどり着くわけです。
そこで大手メーカーと量販店の資本の論理によって出来上がった売込みを受けて、
商品を選ばされているのです。
例えばテレビなら10年に一度しか買わない一般のお客様は、
毎日毎日テレビを売っている販売員にとっては、本当に赤子も同然の素人です。

こうして技術者達が精魂込めて開発した本来の価値とは少し違うところで、
売れる商品と売れない商品が生まれていくのです。

売った後も大変です。
例えば大型の薄型テレビは家で長時間使って、はじめて買ってよかったかどうか分かるもの。
その使用後の満足度を調べるのにも、莫大な費用がかかります。
お客様は満足したら量販店の担当販売員には「あれ、良かったよ」というかもしれませんが、
その声がメーカーセールスや開発担当者にまで細かいニュアンスまで正確に届くことは
100%ありません。

不良品の情報は届いても、痒いとこにはなかなか手が届かないというのが現実です。


それが「製造→卸し→小売り→お客様」の流れの大変なところです。
それが大企業の論理にのった資本主義社会だといわれれば、そうなのかもしれません。




では我々のような小さな飲食店はどうすればいいのか?

まずそんな長い道のりと費用をかける必要はありません。
今、目の前で食事をされているお客様の様子がマーケティング調査そのものです。



入店してきたお客様が、

どんな人か?
何人組みか?
どのメニューを選んだか?
どんな表情で選んだか?
何と比較して選んだか?


そして

どんな表情で食べているか?
どんな順番で食べているか?
残さず食べたか?


さらにはレジで食事の感想、つまり使用後の満足度を直接たずねることができるのです。



また店の外に出れば、

何を見て店に入ってきたか?
一度入りかけたのに入らなかった人はどの店に入ったか?


提供までの待ち時間でも

何をして時間をつぶしているか?
お連れさん同士でどんな会話をしているか?
どんな本を読んでいるか?
どんな表情で待っているか?


そうしたスゴイ情報が目の前でリアルに繰り広げられるのです。
しかもお客様のニーズとウォンツだけではなく、
不満も目の前で分かるのです。

家電メーカーなら数億円かけてでも欲しいマーケティングデータが、
表情の変化まで含めて分かるのです。


1日100人来れば、100個の細かいマーケティング調査ができるのです。

その結果から推測して商品改良や商品開発をすればいいだけです。
その結果から推測して販売促進やサービス充実を図れば良いのです。


推測してやってみたけど上手くいかなければまた戻せばいい。
推測してやってみて上手く行ったならもっと上手く行くように改良すればいい。


そうして日々、小さな変化=成長できるのが、小さな店の特権なのです。


それなのに、飲食店ではそれをしない店が多い!
職人魂で「俺の味が気にいらねーなら…」なんて時代じゃない。
家電メーカーにも職人さんはたくさんいます。
その人たちが「液晶なんて俺達の作ったブラウン管に比べれば・・・」なんていってたら
会社は潰れるのです。




とんかつ豊かではこの1年間にメニュー変更を9回行いました。
最近では5月16日に大きく変更したばかりですが、
予想通りの展開になっていないので近々に変更する予定です。


新メニューの導入や売れないメニューのカット、盛り付け量の調整、
盛り付け方や皿の変更、またメニューブックの変更など、
小さなものまで含めるとおそらく10日に1回くらいのペースで変化しています。

看板も1年間で5回変えて、来月早々にまた変更する予定です。



小さいから出来ないことを嘆くよりも、
小さいからできることをいっぱいやって、
楽しくなりませんか?

お客様をしっかり見て、
もっと楽しませること、
もっと幸せにすることを
実践しつづければ良いのです。

飲食店とはお客様を楽しく幸せのする場所です。
お客様が楽しそうにしてたらこちらも楽しくなるはずです。

もしそう感じられないのなら、
飲食店経営には向いていないのかもしれませんよ。
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# by tonkatsuyutaka | 2007-05-30 13:50