コンサルタント会社を経て、とんかつ豊かを起業した飲食マーケッター小林孝志のブログ

<   2007年 09月 ( 23 )   > この月の画像一覧
第71話 横断歩道から、相手の立場を学ぶ
家から最寄駅に行くまでに国道を渡らなければいけません。
国道といっても近くに大きなバイパスができているので、車の通行量は非常に少ないです。
それでも線路に沿いの見通しの良い直線が続く道路なので60キロくらいで流れています。

ここには信号はなく、横断歩道があります。
これを渡るのがなかなか一苦労です。



子供の時に教わった横断歩道の渡り方は、
手を上げて右・左・さらに右を見て車がいなければ渡りましょう、です。

車は横断歩道に人がいると止まらなくてはいけない義務があることは知りませんでした。
高校生の時に原付バイクで、横断歩道を渡っている人を避けて走ったところ、安全運転義務違反で捕まりました。
そこで、はじめて道路交通法で決まっていることを知ったのです。



子供ときに教わったのは基本的に「車が優先」です。
物心のついた時から18歳で違反切符を切られるまでの期間、ずっとそう思い込んでいました。
しかし道交法は「歩行者が絶対優先」です。


私も含めていまだにこのギャップを埋められない人がほとんどのようです。
私が横断歩道を渡ろうとして立っていても、止まる車は100%ありません。
少し強引に渡リはじめると、思い切りクラクションを鳴らされることもあります。
中には止まる車もいます。
しかし、運転席から「くそっ、はよ渡れ!」という声が聞こえてきそうな車が80%です。



とりわけ大阪は日本一交通マナーが悪い場所です。
車同士でも「割り込んだら勝ち!割り込まれたら負け!」の精神です。
譲り合いなんて、まずありえません。
歩行者の立場で横断歩道を渡るのも同じです。
割り込むつもりで、かなり強引にいかないと車は止まってくれません。

「止まれ、ボケ!」VS「渡れるもんなら渡ってみい。アホ!」の戦いです。
それが大阪の交通事情です。



では私が運転している時はというと、やはりマナーは大阪仕様です。
病気で視力を落としてからは、横断歩道で人を見かけると止まるようにしています。
しかし、止まっても相手にとっては「止まるはずがない」ものです。
特に子供はなかなか渡ってくれません。
車が少々派手なのもあるかもしれませんが、全く信用がないのです。
結局「はよ渡れよ~」と心の中で思う自分がいます。
「こんなんやったら止まらんかたらよかった・・・」と。



運転手としての立場と、歩行者としての立場。
こうも違うものです。


本当は少しでも相手の立場になって考えれば分かるはずです。
でも自分が置かれている立場を主張しあうからうまくかみ合わないのです。


それは経営者とスタッフの立場の違いも同じです。
同じ場所で、同じ時間に、同じ目的で動いていても、なかなか一致できないものです。
ルールはあっても、いずれかの立場しか理解できないと永遠に溝は縮まりません。



本来、横断歩道は歩行者が安全に道を渡るためのツールです。
しかし心構え次第で対立の場になります。
店も経営者が金儲けのツールと考えるから対立構造が生まれるのです。
あくまでも成長の場と考えればお互いが豊かになれます。


昨日のブログに書いた売上に応じてアップする時給制度についてスタッフに連絡をしたところ、
スタッフからはありがたいものとして受け容れられました。
やる気が出ていいと思います!と力強いメールも届きました。



少なくとも当店ではみんながしんどければみんな得をする!で一致できれば良いと思います。
スタッフみんなが頑張ってうれしい時にこそ、経営者としてうれしいのが理想です。



そしてみんなの時給が常に上がりつづけるように、集客をしっかり行うのが私の役割です。
みんなの時給が毎日アップする時に、経営者として上手くいっていることが実感できるはずです。

頑張るぜ~!
[PR]
by tonkatsuyutaka | 2007-09-04 08:21
第70話 反比例を比例に変える
私は精神論の人間ではありません。
店内にお客様がいない時にスタッフ同士がケラケラ笑いながらおしゃべりするのは全然OKです。
お客様がいなくても気持ちをちゃんと構えて・・・なんてことはこれっぽっちも考えません。
作業としてやるべき準備が完全に整っていて、臨戦体制になっていればいい。
いつお客様が来てもすぐにスイッチを切り替えればいいのです。


しかし昨日はその時間が長すぎました。
大体の土日はオープン直後から満席になるのですが、昨日は開店してから約1時間
平日並みかそれ以下のようなお客様の入り具合でした。


最初のお客様が入店されたのが開店から45分後。
それまでの間、厨房内のスタッフは2人でケラケラと笑いながら喋っていました。
確かに日曜日にしてはこのダラけた時間が長すぎたのかもしれません。
気合いの入っていた準備に比べて、あまりにも楽しい時間を過ごしすぎました。



最初のお客様を皮切りにして、一気にお客様が集まってきました。
30分後に満席なった後も、次々にお客様が来られます。
ホールを担当する私はそのコントロールに追われるとともに、商品提供やお茶などで走り回っていました。


キッチンはこの時点ではまだまだ余裕があります。
席が1回転して、下膳が来るようになってはじめて忙しくなります。

お客様が店内に入れずに外で並びはじめても、まだまだ楽チン。
かといってホールを手伝う業務もない。
するとキッチン内でまだおしゃべりが続きます。
ついさっきまで楽しくおしゃべりしていたのに、それが途切れてしまって名残惜しいのでしょう。
もちろん、大きな声をあげたりしません。
客席に聞こえない程度の小さな声で楽しそうに話をしています。


私はここで笑顔は止めて、業務に集中するように注意をしました。


その後も続々とお客様が来店されて、一時は5組15人待ちという状態に・・・
完全に1回転しないとご案内できない状態。
外でお待ちのお客様が席に着いたらすぐに食べていただけるように外でオーダーをお聞きして、
パン粉をつけるところまで準備をしておきます。


このころになるとホールよりも厨房内が戦争状態です。
次々に入る注文。
次々に戻ってくる食器。
次々に出来上がるとんかつ。

さらに私からは
氷を入れろ!
ご飯を炊け!
キャベツの準備しろ!
会計に入れ!
バッシングしろ!
ご飯茶碗がなくなった!
と次々に指示が飛びます。


完全に笑顔が消えて、やっと真剣モードに入った二人。
いつもならこうした波も途切れ途切れにやってくるのですが、昨日はそれが途切れません。
そうした状態が2時間半続いた頃、本当に疲れきった表情になっています。
顔に明らかに「もういやや~」と書いてあります。
そうなると完全に黄信号です。

当店には細かいマニュアルはありませんが、シンプルなルールはあります。
それは何でも相手に頼む時は「お願いします」ということ。
頼まれた側は「ありがとうございます」ということ。
相手の指示を聞いたら「はい」と返事をするということ。


しかしそれが一切なくなりました。
声をかけても返事をしない。
「もういやや~」が態度に現れます。

そして憐れみあっているかのようにスタッフ同士が笑いながらやり取りをはじめました。

ここで赤信号です
私の大嫌いな「ダラけモード」に突入です。
そこで私も切れて、声を荒げて怒鳴りました。




経営者というのは忙しくなればなるほど元気が出ます。
忙しい時は体も頭も疲れてきますが、それを上回る元気が沸いてきます。
現場でお客様と接していると、さらに元気が加速します。
早く席に案内したい。
早く食べて欲しい。
美味しいかな?
楽しんでもらえてるかな?

ホールにいるとそれをリアルに感じられます。
「あ~美味しいね」
そんな声が聞こえると疲れなんか吹っ飛びます。



スタッフは逆です。
狭い仕切られた厨房。
見えないお客様。

なんでこんなにしんどいの?
同じ時給なら楽なほうがいい!

それは私にも経験がありますし、至って自然の流れだと思います。



スタッフが「もういやや~」と思えば思うほど、
経営者は「もっともっと~」と考えます。
完全に反比例です。

特に昨日は最初の失われた1時間を取り戻すべく「もっともっともっともっともっともっと~」です。
うっとうしく感じるほどの反比例を起こしていたと考えられます。



どんな経営者に聞いてもこのギャップを埋めるのが大変なことであり大切なことだと答えます。
私もその通りです。
モチベーションを高めるためにはどうすべきなのか?



そんなことを考えていてふとひらめいたのが、

売上と時給を比例させること。

ある一定の売上を超えたらその日の時給を高くする。
よく人材確保のために土日の時給を高くするというのは聞いたことがあります。
でも自分の時給を高めるために、店の売上が上がるように努力するというのは聞いたことがありません。
私が考える「もっともっと」とスタッフの「もっともっと」を比例させればいいのです。



昨日、疲れきって怒鳴られて、不機嫌になっていたスタッフ。
でもそんな時にこそ元気に豊かになって帰って欲しいな。
そんな風に思って見送って思いついたことです。



どうなるかわかりませんが、さっそくやってみます。
そしていつもの通り、やってだめなら元に戻すだけです。
[PR]
by tonkatsuyutaka | 2007-09-03 12:35
第69話 神が商品に見えた日
私は大のローリングストーンズファンです。
67年から84年までの彼らの曲は全て歌えます。
彼らの歴史についても詳細に知っています。


小学生の時に名前は聞いていて、本格的に目覚めたのは中学3年生の時、ラジオから
”スタート・ミー・アップ”という曲が流れた時です。
チャ~ララン♪という鮮烈なギターのあまりのカッコ良さにしびれてしまいました。

それ以来、ちょうど始まったばかりのレコードレンタル店に、せっせと足しげく通ってはストーンズのレコードを聴き、写真集や書籍を買い漁り、どんどん深みにはまっていきました。

高校生になって同級生に洋楽マニアがたくさんいたこともあって、ロックに関する知識は完全に
「マニア」の領域に入っていきました。



その中でもストーンズの存在は別格です。
当時の私にとって偶像を超え、もう神の領域です。

ミックジャガーの音程が外れたシャガレ声を聴いて、キースリチャードの単純なコードばかり繰り返す決して上手でないギターを聴いて、これぞロックだ!魂の叫びだ~!と自分の世界に浸っていたのを覚えています。


ところが、ストーンズが初めて来日公演を行った時、徹夜で並んで手に入れたチケットをもって
ステージに立つ彼らを見て感じたことは
決して「神」でも「想像上の存在」でもなく、ただの人間なんだと妙な感じを受けました。



ミックジャガーが“スタート・ミー・アップ”を歌っていたのは37歳。
私がその年齢に達した時に、今度はものすごく身近に感じられるようになりました。
私が生まれた時の父親の34歳という年齢に達した時に父親に対して感じたのと同じ感覚です。

時代や文化やライフスタイルや才能はどんなに違っていても、年齢だけは同じになれます。
そのときにどんな考えでどんな環境にいたかは、とてもリアルに感じることができます。


そしてそれと同時に本当のすごさや敬意を感じられるようにもなります。



今の私にとってはミックジャガーはローリングストーンズという商品を販売する経営者だと思っています。
トップセールスマンであり、製造責任者でもあります。

1万円のチケットを1日に5万枚完売し、同じ会場で3~5日間やる。
それだけで1会場で15~25億の売上です。
それを東京、名古屋、大阪、福岡でやるわけです。
わずか半月で80億円の売上。

洋楽CDの年間売上が250億円程度といわれている中で考えると、とてつもない商品です。

しかも彼らの市場は全世界です。



思春期に出会って以来26年間、今なおも私に大きな影響を与えています。


それ自体がすごいことです。


そして64歳になってもあれだけの外見を維持することに、意志の強さを感じるとともに、
一生第一線で現役を張りつづけるのも悪くないな、と思えます。
[PR]
by tonkatsuyutaka | 2007-09-01 09:05