コンサルタント会社を経て、とんかつ豊かを起業した飲食マーケッター小林孝志のブログ

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第81話 引き出しの使い方
毎日のように自店の情報をインターネットで検索をしています。
どんな評価をされているのかチェックするためです。
いつもそんなことをしながら、恐ろしく便利な世の中だと思います。

ちょっと前まではアンケートで知ることしかできなかったこと。
それが良い悪いは別にして公共の場で公開されているのです。
写真までつけてブログを書くというのは、エネルギーの要ることです。
良い情報、悪い情報を含めて、店にとってはとてもありがたい限りです。




情報の引き出しがたくさんあればあるほど、経営の評価について判断材料になります。
開ける、開けないはその経営者の自由です。
その引き出しを開けて、自分の引き出しにしまうかどうか。
それも全く自由です。


私はありとあらゆる情報を引き出しにしまっていくのが好きです。
チラシやパンフレットといった形のあるものはファイル入れへ、
人の話や本の内容は手帳や携帯のメモへ。

そうして情報を貯めています。


しかし肝心な時にどこにあるかが分からない・・・
存在そのものを忘れていることもあります。


なので逆にそうやって集めた情報を定期的に眺めるようにしています。
そうして引き出しの中身をチェックして、今、必要と思える情報があるかを確認していきます。



問題はその使い方です。
以前、コンサルタントをしていた時はこれらの引き出しを開けるときには
「知識」としての利用がほとんどでした。

こんな話がある。こうやって成功した人がいる。

それを人に伝えるのが主な利用方法です。
ゆえに一般論的な表現になっていたのだと思います。



今、経営者となってからは情報がただの知識ではなく自分の経験に変えられることが分かりました。誰かの意見をそのまま引き出しにしまうのではなく、自分の実践経験に基づいて変換してしまえるようになりました。

そして経営者になって会う人の意見の質が大きく向上しました。

家電量販店時代に店長会議で聞いた情報。
コンサルタントになってさまざまな経営者から聞いた情報。
そして経営者になってから聴く情報。


全てが大きく変わりました。


そして人の話を聴いた時に自分の引き出しとリンクする力が付いているのを実感しています。
それはおそらく自分独自の情報として引き出しにしまうことができているので、
わざわざチェックしなくても、必要な時にスッと出てくるようになっているからだと思います。


先日も経営者同士で話をしている時に、明らかに自分の言葉で意見を言ったところ、
明らかに自分よりも実績も何もかもうえの経営者に「良いこと言いますね」と言っていただけました。

人の言葉がすぐに自分の引き出しの中にある情報と反応を起こし、
自然と自分の言葉でアウトプットできている。
コンサルタント時代にはなかった能力が身に付きつつあります。
こうしてブログを書いていることもその訓練のひとつになっているのかもしれません。



相変わらず情報収集は大好きです。
でも引き出しにしまうものは少しずつ制限できるようになりました。
なんでもかんでも徹底的に置いておいた経験があるから出来ることです。


そうやって常に自分の引き出しを満タンにしておくことが、
経営においてとても重要なことだと思います。




ただし、
左手に御飯茶碗を持ちながら
「えーっと、あれ、あれ。あれはどこに行った?」と慌てている私に、
「しゃもじなら、さっき中に入れてはりましたよ」
と冷静に答えるスタッフ。


引き出しがいっぱいでオーバーフロー?

ただの老化現象?
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by tonkatsuyutaka | 2007-09-17 10:55
第80話 絶好調の「平日スペシャル!」
どこの飲食店でも抱える悩みのひとつが土日と平日の格差です。
土日は入りきれないほどいっぱいなのに平日はガラガラ・・・
当店もながらくそんな状態が続きました。


どうすればその状況を打破できるか・・・
いろいろ試行錯誤をしました。
3月に「あまから手帖」という関西では食の代表雑誌に掲載していただいた時に、
アンケートを元にしたDMを発送しました。
DMの内容は雑誌に掲載されることと、そして土日が込み合うので平日に来て欲しいこと、
その2点です。
そして平日来店の特典としてお一人様200円引きの特典をつけました。
すると雑誌の効果もありますが、平日も土日と変わらぬ数のお客様がご来店されました。



そこでもっと広く平日に来ていただく特典を考えて次々に手を打とうと考え、始めたのが
「平日スペシャル!」です。

今年の4月に当店の一番商品である『リッチロースかつ膳(1,800円)』に
平日限定で海老フライを1尾プレゼント+この商品を注文された方に限りドリンク半額という
特典付きの差込メニューを作りました。

この商品はもともと1番売れていましたがそれでも構成比は20%前後。
それが4月の1ヶ月は45%に達しました。
さらにビールや烏龍茶を注文されるお客様が半数を超えました。
平日は単価が低いことが多かったのですが、このメニューひとつで
「客数アップ+単価アップ+一番商品作り」という商売の3種の神器を成し遂げたのです。


それから先もさらに試行錯誤の連続です。
実はリッチロースばかりが売れすぎて他の商品がだぶつき始めました。
このままでは大きなロスが発生します。
そのために特典付きの商品点数を増やしました。

また海老フライ1尾だけではなく、ヒレかつ1個も選択できるようにして、
その代わり100円だけプラスでいただくことにしました。
またドリンクは半額に関わらず注文するお客様が多いので、
「アラカルトメニュー半額」に切り換えました。


そんな工夫を加えながら「平日スペシャル!」をはじめて今月で6ヶ月目。
今月のメニューは
『キングロースかつスペシャル膳(2300円)』
『リッチロースかつスペシャル膳(1900円)』
『クィーンヒレかつスペシャル膳(2100)円』』
の3アイテムを用意しています。


平日はこの3アイテムで売上の80%を占めています。
“平日に来ないと損するわ~”そういっていただけるお客様がとても増えました。
アラカルト半額で、とんかつ以外の美味しさを楽しんでいただけることもできるようになりました。
そしてアラカルトを食べているお客様が“やっぱりビールも”と注文されることも分かりました。



今、平日の客単価は土日よりも200円以上高くなっています。
平日スペシャルをはじめる前と比べると300円近く上がっています。
客数は50%以上増えました。
平日でも行列ができる日が増えてきました。
もっとも以前は常にガラガラだったので50%アップ程度ではまだまだダメなんですが・・・




近隣の飲食店を見ても平日はヒマそう・・・
この商圏はそういう傾向なんだ。仕方がない・・・
ずっとそんな風に思っていました。


しかし違いました。
来ない来ないと嘆くヒマなどなくなりました。



お客様の要望にはできうる限りこたえます。
しかしお客様の都合に合わせていると経営は成り立ちません。
それならばこちらからお客様にとって都合のいい状況を作り出すしかない。


しかし単なる値引きは価値を下げるだけです。
それ以上に経営のモチベーションを下げてしまいます。



お客様を豊かにして、店も豊かになる。
「とんかつ豊か」という店名の由来に少しずつ近づきはじめました。


美味しいものをきれいに出すだけではお客様は来ていただけない。
高い費用をかけてチラシを撒いても効果はない。


そのことを思い知り、小さな店だからこそ出来る小回りの効いた販売促進を行っています。
これからも試行錯誤を繰り返しながら、あらゆる施策を打ち続ける予定です。
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by tonkatsuyutaka | 2007-09-15 08:41
第79話 本当にやりたいこと
昨日、私の友人である経営者様が、彼のお客様を連れて店に来てくれました。
その方は医師です。
しかしただの技術者ではなく、素晴らしいセールスエンジニアであり経営者です。
医療保険の環境を含めて業界が厳しい状況の中、医療に関する事業を次々に立ち上げて成功をされています。
お話される内容は経営についてのことばかり。
自分の得意である専門分野の技術と知識を活かして、他業種のノウハウを取り入れながら、
お客様の要望にこたえられるように既存のやり方と個別化をしていく。
それこそが新規事業にとってもっとも成功の確率が高まる方法です。
今後のわが社の展開についてのヒントもたくさんあり、大いに勉強をさせていただくことができました。



そんな中で、友人の経営者は浮かない顔・・・
先日も彼と話をしましたが、今やっている事業とは別に何かをやりたい。
それを繰り返し言っていました。
その原因を聴いていくと、どうも2代目であるということが彼にとって大きな壁になっています。

入社した時から父親が作った路線が敷かれている。
そのうえを走っているだけで、いつまでたっても父親を超えられない・・・
父親と違うことをやって、それを大成功させて、父親を超えたという実感を味わいたい。

確かに2代目の宿命としてそうした壁があるのかもしれません。



しかし、何もないところから立ち上げた人間にとってはうらやましい限りです。

人は何かやりたいことをやって好きなように生きていくというのは不可能です。
やりたいことをやっているように見える野球選手でも、結果を残すためには厳しい練習をやらざるをえません。チームの方針によっては試合に出ることすらできません。


結局はいくら願望があっても、自分がもっとも力を発揮できるステージの上で、
持っている知識と技術をフル稼働して、現状を打破していくしかありません。

2代目は少なくともそのステージを与えられています。
あとは技術と知識を徹底的に磨いて、アイデアと工夫を付け加えていくのみです。
それは必然的に今の事業の延長線上になります。


全く違う業界に飛び込んで他の成功事例をもってきても上手く行くのはごく僅かです。
FCの飲食店チェーンが儲かりますか?
コンビニエンスストアが儲かりますか?
FCの大元は儲かりますが、現場の経営は厳しいものです。



事業発展のパワーの源が父親の存在であるなら、むしろ父親なんて超えなくていい。
父親を超えられない!もっと!もっと!
ずっとそうやって今の事業を発展していけばいい。

でも本当は事業規模も拡大して、全て自分の代の従業員で運営している。
すでに父親のことは超えているんですよ。



どんな業界も楽なところなんてありません。
一瞬バブったように好景気になる業界はあるでしょうが、そんなものは長続きしません。
それはライフサイクルの法則が証明しています。



常に自分の置かれている業界は極めて厳しい!と受容すればいいのです。

だからこそ考え悩むのです。
だからこそ他業界の勉強もするのです。
だからこそありとあらゆる手を打つのです。
だからこそ失敗をいっぱいするのです。


その中でひとつでも成功があれば、それこそが自分自身の存在価値になるのだと思います。



とんかつ豊かの新しい事業の試作品作りが成功しました。
スタッフの試食会でも評判は上々でした。
とんかつ専門店事業の延長線上にあり、私のもっとも得意とする物販につなげるもの。
まるではじめて店舗を出す時のようにワクワクドキドキしています。

このワクワクドキドキパワーこそが経営の源なんだろうな。

そう実感しました。
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by tonkatsuyutaka | 2007-09-14 12:26
第78話 店は経営者そのものです
私がとんかつ豊かを作るときに重視したのは、店と私が一致しているかどうかということです。
良いものを求めていくとキリがありません。
それこそお金だっていくらあっても足りなくなります。
しかし、安易にどこかの真似をするというのではなく、自分らしさを求めていく必要があります。
それは自分の好きなファッションを身に纏うのと同じだと思います。
そもそもブランド好きではありません。
ブランド品だと安心はしますが、まずどこかのブランドありきから探すようなことはしません。
なので完璧なコーディネートではなく、少しゆるい感じの一体感が好きです。



私は目を閉じて、どんなお客様がどんな人と一緒にどんな服装でどんな会話をしながら
とんかつを食べているか、それをイメージしました。

そのときに出てきたのが雑誌“BRIO”に出てきそうなカッコいいカップルがワインを片手に
とんかつを食べている姿でした。

そんな人達が似合う空間。それがこの店のデザインコンセプトでした。


それをデザイナーの坂本大祐氏と徹底的に打ち合わせをして決めていきました。
とにかくお金が限られています。
しかしながら、お金があるからセンスの良い店が出来るのではありません。
アイデアと知恵をふり絞って、工夫すれば、お金がなくてもカッコいい店は作れます。



私がコンサルタント時代に関わった店のひとつは、それこそ贅を尽くした店でした。
90席のその店は建築費だけで3億はゆうに超えています。
一流のデザイナーが調度品ひとつにまでこだわり抜いた飲食店。
とにかくとても豪華で、かっこよくて、見事なまでの内装です。

飲食店経営に携わる人なら誰もが憧れる、そんな店。
私もはじめて見た時は感動しました。


しかし1週間後に再度見た時には、もう見飽きていました。


人を一瞬でひきつけるものは、一部の芸術作品を除き、逆にあっという間に飽きられます。

あまり贅沢を美とは考えない極めて保守的な地方都市。
そこに車が止まっているだけで、あの人は贅沢していると思われます。


これ見よがしなあまりにも豪華な店舗は、地域の客層に全く合いませんでした。



料理人、そして繁盛飲食店の経営者としての視座で見た理想のレストラン。
しかし大きな夢と莫大な資金をつぎ込みながらあえなく撤退となりました。




店の主役はあくまでも商品とサービスです。
そこにゲストを招くのです。
肝心のゲストが来なければ意味がありません。


そしてゲストと商品とサービスを心地良く調和するのが、内装デザインです。


私のイメージした“BRIO”のお客様は本当に良いものを知っています。
バッタモノは通用しません。
ゆえに「センス」ひとつでまとめたのです。
そしてデザイナーと私のセンスと価値観が見事に一致したことも幸いでした。



例えば、天井はすべて取り払って真っ黒に塗りつぶしただけです。
壁紙は前に使っていた選挙事務所が貼ったスーパーエコノミー品です。
テーブルは合板です。


それらの素材にアイデアと知恵と工夫をめいっぱい必死になって盛り込んだのです。



店の内装はあくまでも脇役です。
主役の商品に自信があれば、ハッと目をひく必要はありません。
逆に何度来ても飽きないことの方が重要です。


それが主役を引き立てるのです。


そして経営者のセンスと一致していることが重要です。



ただし・・・
今、とんかつ豊かの客数の7割を女性が占めています。
これほどまでに女性客が多くなるとは想像していませんでした。
築30年以上たった半畳の狭い和式トイレはあまりにもギャップが激しすぎるようで、
苦情もたくさんいただきました。
しかし改装のしようがないというのも事実。

そこでPOPを貼りました。

「驚かないで下さい。この扉の向こうは昭和42年です(笑)。
狭く使い勝手が悪いことをお許しください」


こう書くだけで「面白いよ!見てきてみ」と茶目っ気たっぷりにおっしゃっていただける、
そうした方々が我が店のお客様です。
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by tonkatsuyutaka | 2007-09-13 08:23
第77話 人のフリ見て・・・
明日の予算達成飲み会を、昨日書いたスタッフの送別会に急遽変更しました。
彼にそれをメールで伝え、出席しますというメールを読みながら、
5年前のある経営者との出会いを思い出しました。



船井総研の時に名古屋のある専門店で1年間仕事をしました。
月に1度訪問して8時間ほどのスタッフ勉強会を仕切っていました。
POPの書き方や手配りチラシのつくり方、売上計画の立て方から粗利計算まで・・・
全スタッフ約40名を入れ替えで2日間かけて研修をしました。
その会社は当時9店舗あり、社長は当時45歳くらいのエネルギーに満ち溢れている人でした。



経営の勉強もしっかりしておられて、経営者らしい雰囲気を持っています。
スタッフ教育にも熱心です。
船井総研にお金を払い、交通費とホテル代を払い、スタッフの時給も全部払っている。
人件費だけでも20万円を超えますから、総額では50万円以上の金額になります。



これだけ聴くと、とても従業員教育に熱心で素晴らしい企業のように思えます。



しかし現場での実情は違います。
社員は2名であとはパート・アルバイト。
少ない人数をギリギリで人を回しての運営。
そのしわ寄せがスタッフに重くのしかかります。
それがプレッシャーになるのか、人が次々に辞めていきます。
私が研修している間の1年間で、残っていたのは10名程度。
あとはその都度入れ替わっていきます。



社長からもそのことについて相談を受けたので、全員と個別面談をすることにしました。
すると出てくるのはやはり社長に対する批判。

言っている事とやっていることが違う。
辞めた人の悪口を言うのでつらい。
一部の人だけえこひいきしている。
お客様の前で怒鳴り倒す。
提出物が多すぎて家に帰っても何時間も仕事をしている。
出した提出物に対しての反応が全くない。


具体的に出てきた社長に対する指摘でした。
これらは私の立場だから聞き出せたことであって、面と向かってはいえることではありません。

「私が言ったって絶対に言わないで下さいね。お願いします」
それが社長批判をした人たち誰もが最後に付け加えた言葉です。


長くいるスタッフは社長の素晴らしいところが見えていますが、経験の浅いスタッフには全く見えていません。
それどころか、まず新人スタッフに先輩から伝えられるのは社長の悪口です。


数年前に同じような会議をした翌日に、全員が店を一斉に辞めたこともあったそうです。
なぜそんな風になるのだろう・・・
まだ訪問して数回の私にはわかりませんでした。



しかし、その研修中に私の質問に答えないスタッフがいました。
何故答えないのかをしつこくたずねていると、その24歳の男性は突然「もう辞めます」といって
荷物をまとめて会場から出て行ってしまいました。


そのとき同席していた社長は、彼を止めることなくそのまま帰してしまいました。
そして休憩の時に社長は私に対して
「あんなに追い込んだのは先生のせいです。この後始末をきちんと付けてください」
と言いました。
私はその研修のあと、1人で彼の店まで行って事情を聞きました。


すると彼の口から出たのは
「あの場であぁやれば辞められると思ったんです。小林先生には迷惑をかけたと思います。
でもあの社長は嫌です。それにどうして小林さんが来て、社長は来ないのですか?
その時点でおかしいじゃないですか!」




社長は研修の時に何度かスタッフを誉めていましたが、私には心がまるでこもっていないように感じました。
怒る時はとても感情的で手がつけられない、嵐が過ぎるのを待ったほうがいい、そんな感じです。


ある時に台風が直撃して新幹線が止まりそうな日がありました。
「どうも危なそうなので今日の研修は休憩時間を短くして、1時間繰り上げることはできませんか?帰れないと明日の仕事に影響が出ますので」とお願いしました。
しかし社長の答えは
「そんなものはお互い様です。あなたの明日の仕事は私の知ったことではありません」
でした。
案の定、新幹線は止まりましたが、近鉄電車が何とか動いていたので5時間立ってようやく家路に着きました。




今回の件で、私も同じようなことになりました。
相手のことを少し思いやれば、
相手の立場に立てれば、
そして愛情を持って接すれば、
こんなことにはならないと思います。


あるいはこれは会社規模が小さくても経営者の宿命なのかもしれません。
経営者とスタッフでははなから立場が違います。
それはどうにもならないのかもしれません。
しかしどうにもならないと嘆いてばかりいても前には進めない。
その立場の違いを自分なりに受容して、そのうえでどうしたいか!どうするか!です。



経営者をやっていると自分が裸の王様なのではないかと思ってしまう時もあります。


人のフリ見て我がフリ直せ。
そのために日々勉強しています。
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by tonkatsuyutaka | 2007-09-12 12:17
第76話 若者達から学びつづける
先日、とても信頼していたスタッフが突然辞めることになりました。
再オープンから2ヵ月後の昨年5月から勤務していましたが、忙しさのあまりに持病の腰が悪化したため、今年の4月からは月1~2回他スタッフのフォローで入る以外は休業していました。

しかしそれまでの貢献度は計り知れないほど大きなものです。
店がここまで来れたのは彼の存在なしでは考えられません。


そんな彼が久しぶりに店に入った4日後に1通の手紙を置いて辞めました。
手紙にはただ私のもとで仕事はできないとありました。


具体的なことが全く分からないので電話をするも出ず、家にたずねても会えず。
アルバイトリーダーに電話をしてもらうと、会いたくないという返事。

私は怒って第75話で彼のことを書き、それを読ませて決着をしようと思いました。

すると、ブログを読んだ彼からメールが届きました。
そこには私に思い当たる、思いやりのない行動がせつせつと簡潔に書いてありました。
私のなにげない一言や態度が20歳の若者を随分と追い込んでいることが良く分かりました。

それを読んで、即75話のブログを削除しました。
あまりにも彼に対する思いやりに欠けていた文章で、怒りをあらわにしているだけの文章が恥ずかしくなりました。



きっかけは小さなことです。
しかしそこに至るまでのプロセスが大事です。
特に人の信頼関係というのは積み重ね以外にありません。
その積み重ね方に完全に行き違いがありました。

経営者である以前に、大人として、人として、彼をしっかり受け容れるべきでした。
しかしながら、しっかりした人間であるがゆえに、まだ20歳であることも忘れて、時には同じ立場の人間として彼を考えていました。

そうしたズレが次第に大きくなって取り返しがつかなくなったのです。


彼はメールの最後でこんな言葉をくれました。
「結局はその人がそのときにどんな気持ちでいるかを相手の気持ちになって考えるほうが
人と接していくうえで大切だと思います」


そうした点で彼は私よりはるかに優れています。

私に気付かせるために、自らを本来の自分とは違う“最低な奴”になりきって、
わざと私が怒り狂う方法を取ったのです。
そうじゃないとまたホンネをいえないし辞められないと判断したのです。



案の定、私は「解雇する!」とわめき散らすまで怒りました。
彼の予想通りです。



少し、相手の気持ちになって考えれば分かったことです。
彼の今までの行動や性格からそんな無責任でずるい手を使うはずがないのです。

しかし私は目の前で起きた現象についてゆるさなかったのです。
怒りのために視野が異常に狭くなったのです。


とても情けない気持ちになりましたが、それが事実です。
「ガキ」と思っていた20歳の学生のほうがはるかに大人でした。




そのあと今回の件で間に入ってくれたアルバイトリーダーからも
「相手の価値観、環境とかを常に汲み取る姿勢は必要ですもんね。
まずとことん相手のことを想ってあげて下さい。
その後、導いてあげて下さい。
ズバリ愛です。」
というメールをもらいました。




41歳の経営者は20歳と24歳の若者にビシビシと鍛えられています。



もちろん彼は解雇ではなく、きちんとした退職にしました。
そして今までの貢献と私に体を張ってまで教えてくれたことに対して、深い感謝の念でいっぱいになりました。



手紙を受け取ったときは、
お客様が来てもスタッフ同士でぺちゃくちゃ喋っている悪い時の姿ばかりが脳裏に甦りました。

しかし今は、
TV出演時に一緒にスタジオにいってタレントやスポーツ選手を見て大喜びしていた無邪気な顔、
帰省から戻るたびに群馬のお土産を持ってきてくれるときの照れくさそうな顔、
そして痛み止めを飲みながら、とんかつを揚げている必死の姿、

そんなものばかりを思い出します。





人間はアホなのでほとんどのことは、喉もと過ぎれば・・・になってしまいます。
しかし今回のことは本当にこたえました。
そして素晴らしい仲間達と真剣に関われていることに、経営者になってよかったと感じています。



高橋哲君、

河野有佳子さん、

そして豊かに関わってくれたみんな、



本当に本当にありがとう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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by tonkatsuyutaka | 2007-09-11 08:55
第75話 反比例の副作用
更新しましたが、都合により削除いたしました。
申し訳ありません。
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by tonkatsuyutaka | 2007-09-09 08:49
第74話 売り方から商品をつくれるというありがたさ
まず、このブログの読者の皆様に謝ります。
今、新ユニット≒新規事業があります。
実現するまでは具体的に何をするかは公表を差し控えさせていただきます。
それだけ私も真剣だということです。
とても読みづらいし、イライラすると思いますが、どうぞご了承ください。



昨日、構想を進展中の新ユニットの実現に向けて、
スタッフと一緒に飲食店に行き、スーパーの棚をチェックしました。
そして参考になりそうな商品を一通り購入し、試食をしました。


新ユニットはある食品の製造・小売りです。
スーパーでの品揃えをチェックすることは売れている商品を知る上で重要なことです。


さらには類似商品からヒントをもらうことが成否を決めると思っています。


私が類似していると考えたのは「豆腐」です。

豆腐というのはどんなスーパーに行っても必ず10アイテム以上品揃えがあります。
市場規模も極めて大きい商品です。
しかし、その割には誰もが知っている大手メーカーというのが存在しません。
チョコレートやスナック菓子などは数社の大手メーカーによって市場を占拠されています。
しかし豆腐はそれらよりはるかに大きな市場規模を持つのに「豆腐といえば○○」というような、
誰もが知っているメーカーが存在しません。

ゆえに市場は上から下まで大きな乱れがあります。

私の調べた限り、普通のスーパーの店頭で400g78円~250円位まで存在します。
激安スーパーでは38円。高級スーパーでは540円まであります。

バレンタイン時期の百貨店でチョコレートは海外ブランド品がとてつもない価格をつけることはあります。ただしそれはギフトとしての存在であって、実用品を扱う通常期のスーパーではそこまでの価格差はつきません。


だからといって、原材料や製法がややこしいというものではありません。
逆に極めてシンプルです。
豆腐はそういう意味で考えると、新規参入をするにはとてもおいしい市場といえます。
そこに殴り込みをかけてきたのが京都の「男前豆腐」です。
今、大手スーパーでこの商品を扱っていない店はありません。
大体通常商品の2倍近い値段で、しかも一切値引きなしで販売されています。


「男の3連チャン」「風に吹かれて 豆腐屋ジョニー」などのインパクトのあるネーミング、
さらにカップ型のおぼろ豆腐など個性的なパッケージもあって売り場ではとにかく目立ちます。

またそれに引けを取らないくらいに、味にもインパクトがあります。
味を一言でいうと豆乳プリンという感じです。
他の豆腐と味が圧倒的に違う。
豆乳の風味となめらかな食感。

100%普及している商品群の中で、ここ最近にない大ヒット商品をヒントにしようと考えています。


そこで「男前豆腐」が豆腐の中でどういう位置付けなのかを知るために、高級スーパーで販売している540円の豆腐をスタッフと試食しました。

丹念に石臼でひいた国産大豆を使用した昔ながらの豆腐。
それを豆腐の味として王道を行っている基準にしてみたのです。

実際食べてみると、本当に美味しかったです。
安い絹ごし豆腐に比べて、食感は少しざらつき感は残りますが、それこそが石臼のせいなのでしょうか。とにかく大豆の風味が中からぷちぷちとはじけ出てくる感じです。
いつも食べなれている豆腐の味を数倍濃くしたような味。

でもそれは540円で買ったという事実があるからそう感じるのかもしれません。
なにも知らされずに食べたらここまで美味しいと感じるだろうか?
それがスタッフとの共通意見でした。


その点、男前豆腐は一撃で分かります。
しかしその味は誰もが豆腐に期待する味で構成されています。
豆乳の風味、大豆の甘さ、とろとろのなめらかな食感・・・
醤油をかければ冷や奴ですが、きな粉と黒蜜をかければ和風デザートにもなる。
決して奇をてらった味ではなく、今の消費者が求める味なのだと思います。
私も醤油もかけずにそのまま、または塩を少しかけて食べることが多いです。


男前豆腐は伝統的な豆腐としては、邪道の部類に入ると思います。
しかしながら、消費者の心をしっかりつかむことに成功しています。
売ってナンボの商売の世界で、売ることをトコトン追求して大成功をしています。



豊かのとんかつの味も基本的な考えは同じです。
新規参入の立場で世の中に普及しているとんかつとどうやって個別化するか?
私は食感の柔らかさと、豚肉の味をそのまま味わえることにこだわりました。
味噌やゴマだれをかけるといった奇をてらったことは一切していません。
そのまま、または塩をつけて食べても美味しいとんかつ。
それが豊かのとんかつです。


同じことを新ユニットにおいても当てはめようと思っています。



美味しさとは「素材そのものの味×調理法」だと考えています。
伝統的な味を継承するのも調理法のひとつ、アイデア満載で改革するのも調理法。
その可能性は無限大です。


売れるかどうかは「商品力×売り方」です。


私の専門は「売り方」です。
今の私は売り方を想定して商品作りから取り組めるという特権があります。


その特権を生かして「売れる商品」をつくり、「売れる手法」で売る。
スタッフを巻き込み、製造のプロを巻き込み、デザインのプロを巻き込み、みんなが豊かになる!
それこそが私の夢です。
そして、こんなに楽しいことはありません。
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by tonkatsuyutaka | 2007-09-07 11:05
第73話 出版までの道のり~ほな書くわ!~
先日、同文舘出版の会議に参加して感じたこと。

本を書きたい人がたくさんいて、
本を書けという人がいて、
本を書くとなったら真剣に関わってくれる人がいて、

そして

本を書いたら喜んでくれる人がいて、
本を書いたら関わりが増えることを知っていて、
本を書いたらやりたいことにぐっと近づけることを知っていて、
本を書いた人を素晴らしいと思えて、

本を書く自信があって、
本を書いたことがある自分がいる。


それやのに、なんで書けへんの?
書けへん理由があらへんやん?


ほな、書けや!


きっとあの会議で突っ込みを入れるはずです。



そもそもこのブログも本を書くためにはじめたもの。
なんだかんだと約3ヶ月で70話を超えました。
6年前に書いた本は私の担当したページは52ページ。
それに6ヶ月もの期間を要しています。
しかもその一部は宮内亨氏の翻訳です。
今なら全編、自分の考えを自分の体験で、自分の言葉で伝えることができます。


ほな、書けや!





次回10月20日の会議に必ず企画書を提出します。
そしてサンプル文はこのブログで作成していきます。


昨日、スタッフにも宣言しました。
本厄の今年中に書き上げて、来年一気に花を咲かす!
9月1日から当社の第4期。
9月3日に41歳になった私。

この商機を逃したらダメ!



テーマは
・小さな飲食店
・行列のできる繁盛店
・アイデアで勝ち残り

読者は
・個人の飲食店経営者
・飲食店開業を目指す人
・3店舗程度のチェーン展開をしている飲食店経営者

内容は
・商品作り
・販売促進
・人材育成
・店作り
・経営手法

マインドは
・お金をかけない
・エキサイティング
・豊かになろう!




古市編集部長、どうぞよろしくお願いします!
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by tonkatsuyutaka | 2007-09-06 08:42
第72話 出版までの道のり~出版会議に行ってきました!②~
先日、同文舘出版の出版会議が宮内亨氏の事務所で開催されました。
私は古市編集部長からテーマを与えられているものの、明確な路線がひけていない状態です。
とにかく会議に出て、他の出席者の考えなどを聞きながら書くヒントをつかもうと思っています。


しかも今回の会議には佐藤勝人さんが栃木からわざわざやって来るという。
ここはチャンスとばかり、店のスタッフも2名参加させることにしました。
1人はアルバイトリーダーの河野さん。
もう1人は新人ながら近い将来、確実にとんかつ豊かを背負って立つことになる唐木君。
私に多大なる影響を与えた宮内亨氏と佐藤勝人さんが揃う場なんて滅多にありません。
スタッフ教育の場としてちゃっかり利用させていただきました。


出版されたばかりの本を自力で500冊売り切ったという熱いコンサルタントの挨拶に始まり、
会議は最初から白熱しました。

出席した中の数名が書きたい本の企画についてレジュメを使って説明をします。
それを聴いて20数名の参加者全員が考えます。

読者の立場にたって、
本を売る立場にたって、
書く側の立場にたって、

どうすればもっと良くなるかについて真剣な横やりを入れます。


ただし少しでも論点や視座がずれたり、無責任な発言をすると、
宮内亨氏から容赦なく激しい怒号が飛びます。


そうして最初に出したテーマを圧縮したり拡張したり、分離させたり、くっつけたりしながら、
全員で徐々にテーマを絞り込んでいきます。


最後に宮内亨氏が多くの意見を受け容れ、企画提出者本人の実績と人格に介入しながら
書籍化できる方法について決着をつけます。
難しいテーマでも、なんとか書籍化できる道を真剣に模索していきます。


それを受けて同文舘出版古市編集部長が商品として売り物になるかを判断していきます。




そんな場に参加した二人。
今までの人生では経験したことがない雰囲気に最初は戸惑った表情をしていましたが、
それでも一生懸命食らいつこうとしているのがわかりました。

2人は店の営業があるので途中で帰りましたので、後日感想を聞きました。


大学生を8年間もやって社会経験も豊富な唐木君。
「めちゃめちゃ楽しかったです。あれだけ全員がひとつのことを真剣に考えるなんてないことです。
いろんな立場になって関わってるのが良かったです。早速、宮内亨さんの本を読みたいのですが、どれがいいですか?」

25歳学生にしては立派な答えです。
しかも実践に移ろうとしています。
その日のうちに私が最初に読んだ(読まされた?)「売れる商品はこうつくる」を渡しました。



そして開業当時からずっと私と店を支え続けてくれている河野さん。
「宮内さんがめちゃめちゃお茶目で可愛かったです。小林さんから話を聴いててどんな恐い人かと思っていたら、愛に満ち溢れているじゃないですか~素敵でした!」

あの場でこうも見事に人の本質を見抜くことに感動しました。
24歳にしてそう思える彼女がすごい人です。

さらに
「小林さんはいつ目次を出すんですか?早よ本書きましょうよ!!!!」


・・・


自分のために・・・
今の仕事をより充実させるために・・・
作り上げつつあるノウハウを世の小さな個人店のために・・・

新たな本を書くことについてそんな風に考えていましたが、でも意外に、

部下にカッコつけるために書く!

それでもいいんじゃないのかなぁ・・・
そんな風に思えてきました。



よし!次回は目次を出すぞ!
そしてまた2人を連れて行っていいところを見せてやる!



なんてボコボコにされたりして・・・
逆にその方がいいかな?
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by tonkatsuyutaka | 2007-09-05 12:34