コンサルタント会社を経て、とんかつ豊かを起業した飲食マーケッター小林孝志のブログ

<   2007年 06月 ( 26 )   > この月の画像一覧
第18話 4日連続で現場を離れる実験
今週の木曜日から4日連続で現場を離れてみました。
再オープン後では最長です。
1週間で1日づつ抜けて3日しか入らなかったことはありますが、2日以上連続で抜けたことはありません。

1日づつ休むのは全然難しくありません。
前日の夜に準備万端にしておいて、休んだ翌日にしっかりとフォローすればいいだけです。

でも4日連続というのはかなり大変です。



なぜこのようなことをしたかというと、
昨年の8月に病気が元で医師に4日間の絶対安静の診断を受けたことがあったからです。
一昨年に無理をおして病気がひどくなったことがあるだけに、
私にとっては「体調上の無理をしない」というのが絶対条件です。


お盆を前に売上が伸びている真っ最中。
最低でも150名の来店が見込めた時期に私の体調が悪いだけで、突然の臨時休業です。


もちろん経営上もきついです。

でも一番にはわざわざお越しいただいたお客様を張り紙一枚でお帰ししなけばいけなかったこと。
楽しみにしていたとんかつを食べられなかったお客様を想像すると悔しくてなりませんでした。

そしてお盆を前に稼ぐ気でいたアルバイトスタッフにも迷惑をかけました。


店名に由来する「店に関わる全ての人たちを豊かに」ということからもずれてしまいました。



こうした経験から「休まない店」を作ろうと思いました。
そのために誰でも運営できるシステムにしよう。
今回はその実験でもありました。


今までは2人のスタッフに任せていましたが、1人は現在、腰を悪くして休業中。
そうするとたった1人に重くのしかかることになります。
それでは経営として成り立ちません。


そこでさらに2人の学生スタッフに任せることにしたのです。
1人はこの4月に入ったばかりのスタッフです。
作業全ての細かいところまで教えるのには、やはり最低でも半年はかかります。
でも、応用力があれば教えなくてもできる。
その応用力の源になる「経営者の考えと見方」だけをひたすら伝えてきました。
短い期間ではありますが、理解してくれています。





もちろん私が店にいるほうが売上は上がると思います。
人件費率も下がります。
しかしそんな目先のことを考えていると、結果的に以前のように長期の休業にならないとも限りません。

リスクを回避するのも経営者の仕事。
若く経験が少ないながらもスタッフを信頼して任せるのも経営者の仕事。

そのための教育の仕方を勉強することが経営者にとって大事だということがよく分かりました。
そして彼らにとっても「実践」こそが勉強なのです。



通常、14席くらいの規模の店なら夫婦+アルバイト1人で営む規模だと思いますが、
私はそんなことがしたくて事業を始めたわけではありません。


経営方針が違うから、運営方針も変わり、教育方針も変わる。



まだまだ実験という名の実践と、私なりの理論化は始まったばかりです。
[PR]
by tonkatsuyutaka | 2007-06-17 11:06
第17話 和歌山の風雲児 山添利也社長の真髄
今、和歌山でもっとも注目を浴びている男がやってきました。
5年前に開業したイタリアレストランは連日の大行列が続き、
2年前に開業したケーキ店の一番商品であるチーズケーキはあの楽天市場で全商品の中で売上1位を記録するなど、ノリにノッている真っ最中。

そのチーズケーキは噂が噂を呼び、テレビ、雑誌の取材が殺到。
ついにはあの東京日本橋の三越百貨店に招待され、特設売り場でまたも大行列。
百貨店の売上ピークになる夕方には売り切ってしまい、三越のバイヤーも驚いてその場で追加の招待が決まったそうです。


そんな弱冠32歳の経営者山添利也氏は、1年半だけ在籍した船井総研時代に
私と一緒に仕事をする機会が多かったため、私はいまだに兄貴分として振舞っています。



今月初めに電話で話す機会があり、新しい事業を模索しているというので会うことになりました。

乗っていた電車で人身事故がおき、30分遅刻で現れた彼と、予定通りさまざまな繁盛店を巡店。
この店の年商はいくらだろうか、一番商品はなんだろう、誰に売るのか、そして自分達が経営者なら何をするか、そのようなことを考えながら店内を見回して商品POPやショップカードやらをチェック・チェック・チェック。
そして車で移動しながら、議論して自分達の商売にリンクさせていきます。
新しい事業に思いを馳せながら、議論は尽きることなく続きます。
お互いに自分とは違う見解を展開するので、ひとりで見て回るよりも何倍も勉強になりました。



そして彼の話を聴きながら分かったこと。


それは彼が経営者というよりも根っからの商売人であるということ。

そしてそんな彼を支えるのが幼なじみの馬締博和専務。

ひたすら前だけを見てパワフルに突っ走る社長を、
見事なまでの手綱裁きでコントロールする名前通りの男。

そんな彼の存在こそが事業を支えていることがわかりました。



経営者と商売人。

中小零細企業においてはほとんど一致しているもの。
しかし和歌山の元気企業はすでにその役割がはっきりと分かれている。


”調子に乗りすぎず、臆病になり過ぎない。”

事業を行う上で、もっとも重要な矛盾を、
もっとも信頼しあっている人と議論して決めていくことができる。

ひとりでこの作業を行うことがもっとも難しい・・・

だから経営コンサルタントという仕事がある、ということも身を持って知ることが出来ました。



私はその姿に経営者としてうらやましさを覚えながらも、
この企業の底知れぬ成長力の真髄を垣間見ました。


とんかつを食べながら二人でワインを2本あけてさらに話をする中で、
私は彼のコンサルタントとして責任を持って
「お前は100億を目指せ!」
といいました。


イタリアレストラン開業当時、全く売上が伸びずコンサルティングを依頼してきたときに
私は
「最低でも年商1億を目指せ!」
といいました。
現状の5倍もの数字を聞いて、一瞬キョトンとしながらも2年後にはそれを軽くクリアしました。


「100億」と聴いた彼はその時と同じ顔をしていました。

だから間違いなく達成すると思います。



以前のように人馬一体に過ぎなかった会社も
いまやたくさんのスタッフが乗った大きな馬車を引っ張っています。
二人の夢だけではなく、スタッフ全員の夢をいっしょに運んでいるという
責任感と使命感がこの会社の原動力になる。

とんかつ豊かも早く彼の会社のようにしよう!



そんなことを思いながら、明日二日酔いにならないことを願って眠りにつきました。



そのころ山添社長は乗っていた電車がまたも事故に遭い、2時間遅れで駅に着きました。

そして私は予想通り史上最悪の二日酔いになりました・・・
[PR]
by tonkatsuyutaka | 2007-06-16 10:44
第16話 一般論からの脱出
先日、母親からメールがありました。

「このブログを読んだ。
あそこまであからさまに書いていいの?
父さんは喋りすぎだと心配している。
もう少し一般論的にすれば。」

いくつになっても心配するのは親心なんだろう。

しかし、このメールを見てグッと自信を深めました。
このブログがちゃんと実践論、ホンネ論になっているということ。


コンサルタントになりたてのころは一般論の意味がわかりませんでした。

コンサル2年目の時に自分が主催で「接客の極意セミナー」というのを開催しました。
第1講座で、私はテレビや雑誌を見ていて気付いたことや法則じみたことを
自分なりにまとめて話をしました。

持ち時間は50分。30分ほど経過したころに自分がなんだか浮いている気がしました。
40名ほどのお客様もノリが悪い。
なんとなく嫌な空気を感じて、後方の講師席を見ると、上司の宮内亨氏の顔が遠めに見ても明らかなほど怒りに満ちている…
放っておくと講師席から怒鳴り散らされそうな雰囲気・・・

あれ?なんか悪いことしたかな?????
もうこれで舞い上がってしまい、しどろもどろのエンディングでした。


休憩に入り、講師席に戻ると宮内亨氏はリアルに怒りに震えています。



ヤベェ~・・・なに怒ってんだろ?



ドキドキしていると、その隣に座っていた
ゲスト講師のサトーカメラ佐藤勝人氏が

「てめえ、なにつまんない話してんだよっ!なんだありゃぁ?だめだよ、話になんねぇよ!」

なんと上司ではなく、ゲスト講師にボロクソ言われてしまいました。
最後に吐き捨てるように

「この一般論ヤロウ!」

・・・


私は私なりに自分の意見を述べたつもりでした。
なのに一般論?????
なんで?なんで?なんで?????

お客様アンケートを見ると「第1講座はひどかった」、「役に立たなかった」と酷評。


実はその3ヶ月前に実施したPOPセミナーでは、お客様が持参したPOPをその場で添削して
とても高い評価を受けていただけにショックでした。


自分ではそれと同じ事をしているつもりでいましたが、
その違いさえも理解できなかったのが当時の私でした。



その後、佐藤氏には会うたびに「イッパンロン小林」とリングネームで呼ばれ、
一般という言葉を聞くだけでドキッとしまうほどトラウマに陥るほどでした。



それでも、宮内氏、佐藤氏をはじめ関わる人たち全てに鍛えられ、
一般論の意味もわかり、一般論のつまらなさも身にしみてわかるようになりました。



「自分でやったことを、常識や世間体など気にせずに、自分の言葉で飾らずに語る。」



簡単なようで難しいことでしたが、ようやくトラウマからも解放されました。




ナイスメール、ありがとう!!!!!
[PR]
by tonkatsuyutaka | 2007-06-14 08:46
第15話 勉強のやり方だって経営と同じです
スタッフに臨床検査技師という国家資格試験の受験者がいます。

とんかつ豊か創業の時からいてくれて、私が入院中は店のリーダーをやってくれました。
昨年の再オープン時からも、ずっと二人でやってきたスタッフです。
彼女がいなければ、絶対に店は続いていなかったと思います。



今年の試験はあと僅かというところで点数が足りず失敗しました。

試験が終わった直後の3月に徹底的に話をしました。

来年は何が何でも合格したい!
そのためにずっと学校に通う、というものでした。
学校に行くには、毎朝5時半に起きて満員電車に往復4時間乗らなければいけない。
当然ながら、アルバイトを辞めるということになる。


私としてももちろん合格して欲しい!
でも働けるなら一緒に仕事をしていきたい!


そこで勉強の仕方についてじっくり話を聴きました。

昨年度の勉強の仕方は、
3月の試験に対して9月いっぱいまでは一切手付かず。
10月から週に3日ほど通っていた大学に行って受講。
1月からはアルバイトを週1にして勉強中心。
2月以降はアルバイトを休んで猛勉強。
試験直前はかなり自信を見せていたものの、残念ながらあえなく失敗・・・


そこで私が彼女に対して言ったのは
学校で講義を聴く勉強と、試験に合格するための勉強とは違うということ。
学校での講義は臨床検査技師になってからの基礎学習の積み重ね。
それについてはもう卒業している。
つまり基礎体力は十分についているから、それを生かした勝つための練習をするべき。


そして試験に落ちた原因を考えました。
教科によって得意と不得意がハッキリしている、とのこと。
大得意な科目は80点で、得意は70点、得意でも苦手でもないものは60点。
しかし苦手は20点レベル。
これを40点レベルにしようと試験前はずっと苦手の科目ばかりやっていたという。


そこまで聴いて私は言いました。「苦手の勉強はやめよう!」

「えっ!????マジですか?」

「そう。そのかわり大得意を100点に、得意を90点に、やや得意は60点のままでどうなる?」

「苦手は0点でも合格できます。でも勉強しなくても10点は取れます!
でも・・・大丈夫ですか??」


こうなったら上司とか雇い主であるという立場ではなく、完全に経営コンサルタントモード!



いいか、20点を40点にしようというのは単純に2倍。
でも苦手だから、並大抵の努力では無理。
それよりも好きで得意な科目を1.2倍にする方が、ラクだし楽しい。
苦手と立ち向かわず、受容したらいい。
それで費やす時間とエネルギーを全て得意科目に回そう!

非力なバッターはホームランを打つための練習ではなく、
俊足を生かしてバントの練習をした方がスーパースターになれる確率は高い。
イチローと松井の練習方法は全然違うよ。

でも付け焼刃は通用しないので、明日から得意の順番に勉強を始めよう!
毎日、学校に行ったつもりで問題集を解こう。
満員電車の往復4時間を考えれば平気やろ?
そのかわり俺がその問題集の採点と点数管理をしてあげるよ!
学校に行かずに、アルバイトで稼ぎながら合格できればみんなハッピーになれるよ。




船井総研の時の支援先の経営者もみんな苦手分野の克服をテーマとしていました。
この商品はいくらやっても売れない。
どうすれば売れるようになるんだ!?
売れないからチラシの誌面を割いて、売れないから売り場の一等地を使って、
そうすることで売れてたものが徐々に落ちていく。

売上構成比の低い商品を売ろうと躍起になって
肝心な得意商品が昨対90%を続けて徐々に落ち込み、経営が悪化・・・

構成比の大きい一番売れてる商品を昨対120%にすれば、絶対に経営は失敗しません。


私は同じ敗因を見出しました。





現場が大得意の彼女。
今年もすでに5人もの新人スタッフを一人前にしてくれました。

彼女がいてくれれば、私は医者から止められている現場の仕事を離れて、
得意の販促に労力がつかえます。





「ナントカ酸ホニャララ」といった難しい解答をひとつずつ真剣に採点しながら、
いつも私の血管をエコーでみてくれる国立循環器病センターの臨床検査技師に感謝できるようになりました。
[PR]
by tonkatsuyutaka | 2007-06-13 09:42
第14話 勉強の仕方の勉強方法
仕事をして生きていく上で、一番大事なものが勉強。
しかし、勉強ってどうやるんだ?


私も船井総研に入社した直後は、上司の宮内亨氏から事あるごとに勉強不足を指摘され、
しまいには「勉強不足の奴と喋るとムカつく!」とまで言われました。


そういわれても何をどう勉強したらいいのか分からない。
そこで「勉強って本を読むことですか?」と聴いてみました。
すると、「本を読むことが勉強と思ってることが低レベル!勉強の仕方を勉強せえ!」
とさらに激しく一喝を喰う・・・
勉強法の仕方を聴いたつもりだったのだが。



仕方がないので自分なりに勉強について考えました。
勉強が好きになる、ということは
学校の試験勉強じゃないんだから、苦痛であってはいけない。
自分なりにどんどん奥深く追求していけるような形がいい。


そう考えると、私が中学生の時にローリングストーンズにはまり、
彼らのルーツやらロックの派生を調べていくうちに、
とてつもないロック博士になった時のことを思い出しました。


当時は趣味と思っていましたが、
ロックに関する文献を読み漁り、
これはというレコードは東京まで行って1枚3万円で買ったこともあります。
どこに何が売っているのか?
今のようにインターネットでちょちょっと検索、なんてない時代です。
ひたすら中古レコード店をまわり、
そこの店主に色々教えてもらい、
また次の情報元へと足を運び・・・


ようやくたどり着いて、ようやく見つけてきたレコードのジャケットを30分以上見つめた後、
ゆっくりと針を落とす瞬間のワクワク楽しい感覚は凄かった。


自然に無理をすることなく、楽しんでいるうちに知識がグッと深まる。

それこそ勉強だよな、ということに気付きました。


あれと同じ感覚になれるものはなんだろう。
そこで何気なく好きでやっていたチラシチェックを本気で始めました。

毎朝、新聞に入っている折込チラシを見て、全てのチラシの良いところを考え、
またこの店から依頼が来たときのチラシ改善案まで考えました。
これを5年間続けたら20枚/日×365日×5年=36500枚のチラシと
真剣に向き合ったことになります。
チラシ指導が多かった私にとっては最高の勉強方でしたし、
とんかつ豊かオープン以降のチラシ作りも全て自分でやってきたのは、
このときの勉強が身についているからです。


チラシと同様に、時間さえあればありとあらゆる店を見て回ることにしました。
陳列やPOPについて様々な業種の店をチェックしました。
それで本にもなりました。


読むのが苦手な本はせいぜい月に3冊ペース。
そのかわり飛行機の移動中はスポーツ新聞の隅から隅まで読みました。
特に3行広告については全てに目を通して、
支援先でチラシのコピーを作るのに役立てました。


そこでわかったことは
本を読むことも勉強の手段のたったひとつに過ぎない、ということ。
本を読んだら勉強なんて、ただのスタイルだけ。
勉強の手段なんてそれこそいくらでもあります。
その中から自分に合った勉強手段を見つければいいだけ。



勉強のための勉強ではなく、仕事のための勉強。
そこが受験勉強との違いです。
だから楽しく続けられます。


今は食べ歩きが勉強です。
イタリアンにもフレンチにも行けば、餃子専門店からかつ丼専門店まで・・・
なんでもかんでも勉強になります。


食材の組合せ、食器の使い方、盛り付け方法、テーブルのサイズ、オペレーション・・・
そしてなんと言っても食べているお客さんの姿です。


飲食店の経営者は、自分の商品に満足したら終わり。
世の中には数え切れないほどの商品があり、毎日毎日生まれています。
冷蔵庫の商品数とは桁違いです。


だから勉強して、勉強の結果をすぐに実践して、その結果からまた勉強しています。


明後日は和歌山の繁盛飲食店経営者と食べ歩き。
どこに行こうかな・・・うずたかく積まれた飲食雑誌を読み漁る私。
結局、25年経ってロックがパスタになっただけかもね。

楽し~い!
[PR]
by tonkatsuyutaka | 2007-06-12 13:09
第13話 女心と経営者の・・・
私は言うことがころころ変わります。
サラリーマン時代より、圧倒的に変わるようになりました。


普通は朝令暮改は困るといいます。
しかし朝令暮改どころか朝令昼改、朝令朝改もざらです。


経営者は決断業。
決断が変わるというのは問題なのか?
それとも優柔不断なのか?


現場では時々スタッフがビックリしたような顔をします。
「あれ、また変わったんですか・・・」
私は素直に
「ごめん。また変えた」
と謝ってやってもらっています。


ではなぜ変わるのか?

目的とする基本的な考え方は全く変わっていません。

ただそのプロセスやアプローチが変化しているだけなのです。

変わる原因としては
・状況に応じた優先順位の変化
・決定後に再度深く考えて、新たな気付きの発見
・実践後によりすぐれた改善策の発見


ようは変化ではなく進化しているのです。
進化するには勉強が必要。
勉強すればするほど、ころころ変わります。


大きな会社だと決定を変えるのには、時間と労力を要します。
だから変えないで済むように、絶対的な決定を出します。
しかしそのために起こり得ないようなことまで
ありとあらゆる仮説を検証して時間をかけて決定を出します。
つまり遅いのです。
トロいのです。


小さな会社はそんなことを言ってられません。
時間をかけて考えている間に、商機を逃してしまうかもしれません。
だから決定が早い。
すぐにやる。
やって気付く。
ゆえに変化も早いのです。



経営者の立場からすると、
決断したことを変える、ということも決断の一つです。


新しいことを決断するより、ある意味では勇気が要りますが
より良い方向に向かうために、元の決定に固執する必要などありません。


また変わったのか・・・
ではなく
おっ、また進化した!
ととらえて見ると楽しくなります。
[PR]
by tonkatsuyutaka | 2007-06-11 07:57
第12話 意識が変われば行動も・・・というけれど、意識するのも行動の一つです。
小さな会社や店の経営者が一番口にするのは
「スタッフに思いが通じない」ということです。

そういう私もまだまだです。
信頼すればするほど、だんだん遠のく・・・
そんな気さえする毎日です。


でも私がめげずに心がけていることは
一つの作業をしていても、その目的を教えることです。


当然、同じ作業をしていても新人スタッフと経営者では考え方が全然違います。


新人スタッフなら「レンガを積んでいる」=パン粉をつけている

戦力になれるスタッフなら「壁を作っている」=とんかつ定食を作っている

店長なら「教会を作っている」=店を営んでいる

経営者なら「町を作っている」=お客様とスタッフに豊かになってもらう


同じ作業でも視座と視野が違うと効率も進め方も全てが変わります。


とんかつ豊かでは新人スタッフに作業を教えるのは慣れたアルバイトスタッフです。
そこではただひたすら作業の工程についてみっちり教えてもらっています。
そして少し慣れてきたころに私が「何のためにやるのか」について伝えています。

肉の筋を切るという作業一つにも
お客様が「柔らかくて美味しい」と笑ってる顔を想像したら随分変わるものです。



経営者としてできることは、そうした作業の目的を、具体的に、
何度も何度も、繰り返し繰り返し、しつこく伝えていくことしかありません。


意識が変われば行動が変わる、といいます。
でもそれは嘘です。
行動を変えるから意識が変わるのです。


少なくとも意識を持たない人が「意識をする」という行動が変わるだけでもありがたいのですが、

実践主義者は目に見えるものしか信じられないので・・・
[PR]
by tonkatsuyutaka | 2007-06-10 07:33
第11話 ポッキーから学んだこと
先日、朝日新聞夕刊に「ヒットの秘ミツ~直径3ミリ 極細ポッキー パキパキ食感 救世主に~」
という記事が掲載されていました。
とても気になったので、その日にスーパーのお菓子コーナーの棚をチェックしに行きました。
すると、ポッキーの関連商品、類似商品だけで12品目ほどあり、
かなりのスペースを取っていました。

その中から、とりあえずシリーズ品は除いて全部で6点を購入。
早速、会社のテーブルの上に並べて、相関関係を考えてみました。
(ちなみに私は第9話にでてきた宮内亨氏に鍛えられたせいで、何でも関連図にするクセがついてしまっています・・・)


なんといっても中心はグリコの元祖ポッキーです。
美味しいとか不味いとか、そういう域を越えた絶対的な存在です。
日清のカップヌードルと同様、このジャンルの始元として受容するのみ。

まずそのこと決めてから、元祖ポッキーと他の商品との関係を考えました。

まずクラッシュポッキー。
基本は同じですがチョコの部分にアーモンドやらココナッツをつけて豪華感を出しています。
いわば「付加の発想」から生まれた高単価商品。

フランは明治製菓の商品で、軸を太いビスケットで仕立て、たっぷりとクリームがついています。
どちらかというとチョコビスケットをポッキー型にした「融合の発想」。
ちなみにグリコのムースポッキーはフランへの対抗商品。

ロッテのトッポはプレッツェルを外側にして中にチョコレートを流し込んだ商品。
この「逆転の発想」は長所満載で、おそらくポッキーの牙城をもっとも大きく揺さぶったであろうと思います。この対抗品をグリコも出しましたが、あえなくつぶされたようです。

そして今もっとも話題の大ヒット商品「極細ポッキー」。
通常のポッキーが38本入りなのに対して、極細ポッキーは52本入りです。
ただし重量は一緒なので、その分ただ軸を細くしただけ。
軸とチョコの味は変わりません。
食感は確かに軽く感じますが、それだけのこと。


ポキポキ食べながら、ウンウン唸りながら価値を考えましたが、全く分かりません。
なんでそんなに売れるの?????


しかしよく考えれば、私はここ10年くらいポッキーなんか買ったこともないし、食ってもない。
そんな人間に分かるはずがありません。
頭でっかちになっている自分に気付いたので、
出勤してきたアルバイトスタッフの18歳女子大生に素直に聞いてみました。
彼女はいつも極細ポッキーを買っているそうです。

「なんで?こっちを買うの?」
ポッキー大好きのアルバイトスタッフの答えは明快でした。

「だって普通のポッキーより本数が多いから、たくさん長いこと楽しめるじゃないですか!」



!!!!!



まさに目からうろこの答えでした。
ヘビーユーザーの価値基準は美味しさではなく、「お菓子を楽しむ」ことにあったのです。


これらから分かったこと。

必ずしも味が全てではない。
売る相手によって、
使うシチュエーションによって、
商品価値の基準は変わるのです。

その価値に見合った商品を作れば売れるのです。
そしてその求められている価値を見出すのがマーケティングです。
それこそが客層別バリューマーケティングなのです。


とんかつ豊かには、キャリアウーマン風のおしゃれでカッコいい
女性二人連れという客層がとっても多いです。
またスーツを着た30代前後のカッコいいカップルも多いです。

そうしたお客様はゆっくりと会話を楽しんでおられます。
時には2時間以上も滞在されることもあります。
ほとんどが平日のわりと早い時間帯に来られます。
お酒はほとんど飲まれません。


その人たち対して、本当に求めている商品を提案できているだろうか?
その人たちを本当に商品で楽しませることが出来ているのだろうか?


それが今月のテーマである新とんかつ開発のポイントです。


わずか148円のポッキーからいろいろ学ぶことが出来るものです。



その新人女性スタッフにもう一つ質問しました。
極細ポッキーのように豊かのとんかつを変えるとしたら、どんな風かな?

「めっちゃ薄くして何枚も食べてもらったらいいんじゃないですかぁ?」


・・・・・・・・・


意外にそんなんでいいのかもしれないなぁ・・・
[PR]
by tonkatsuyutaka | 2007-06-09 08:40
第10話 良い商品を作ることと、売込みをすることは、同じくらい大切なこと
昨日、あるハム専門店に行ってきました。
とても物静かで真面目そうな若い職人さんがオーナーのお店です。


ドイツ仕込みの本格的な技術。
厳選された素材。
研究熱心であることがすぐに分かる豊富な品揃え。
そしてなんと言ってもハム・ソーセージに対する真剣な取り組み。

それらがとても良く伝わり、とても好感の持てるお店です。


店の研究用に6種類5000円分ほどの商品を買い、早速試食をしました。
そのどれもが本当に美味しいのです。

モモハムは肉の食感がほどよく、香辛料などは極力使わずに肉の味そのものを活かしています。
ロースハムは脂身部分が口に入れるとスーっととろけるようで、まるでイベリコ生ハムのようです。
肩ロースのペッパーハムはうっすらとついたペッパーがとても鮮烈でインパクトのある味です。
他にレバーパテやベーコンも購入しましたが、どれも絶品です。

ぜひ、おすすめしたいハム専門店です。




と、ここで終わるとただの食通ブログです。
飲食マーケッターとしては気になることが満載でした。


まず、売り場から「売りたい」とか「買って欲しい」という気持ちが伝わらないのです。
ここまで美味しい商品です。
値段もちょっぴり高めですが、商品価値を考えたらとても妥当です。
であればもっと「売る」ことに力を入れるべきです。


「売り込みは苦手なんで・・・」という職人さんは多いです。
でも、苦手なのではなく、「売ること」「売り込むこと」が、まるで邪道のように考え、
ひたすら良いものを作って、売れるのを待つという考えを持った人が多いです。

しかし、いくら作っても売れなければ世の中に存在しないのも同じ事。

世の中にはあまり良い商品じゃなくても売れる商品はいくらでもあります。
いやむしろむしろその方が多いかもしれません。
商品が良くないから一生懸命に売り込む。
その結果売れる商品になり、売れたおかげで商品が少しずつ良くなり、もっと売れるようになる。


本当に美味しいハムを食べたいと思っているのに、
仕方なく普通の大手メーカーが作っているハムを買って食べている。
そういう人に知らせないほうが、罪なのではないでしょうか。

大手メーカーは黙っていて大手になったのではありません。
真剣に商品を作り、お金をかけて真剣に売込みをして、
その結果、味を認められて売れたから大手になったのです。

そのかわりにハムの代金には莫大なテレビCMの放映料まで含まれています。
それこそシルベスタースタローンの億単位のギャラまで一緒に買わされているのです。

それと同等価格なら、卓越した技術と知識をもって、真剣にかつ真面目に一生懸命作った
小さなハム専門店の方がずっとずっと美味しいに決まっています。



具体的いうと、まず店の一番に売りたい商品を決めること。
そしてそれをショーケースの中でもっともっと目立たせるべきです。
店に来る人が100%その商品を買っていくようになれば、
その商品を目当てにやってくるお客様がどんどん増えます。

ランチェスターの法則でいくと、シェア26%が一番店です。
それを店内構成比ですら達成できなければ、店としての認知が難しくなります。
もし地元密着を目指さないのであれば、一番商品の構成比はもっともっと高める必要があります。


とんかつ豊かの一番商品は「豊かリッチロース」です。
先月の店内シェアは45%でした。
平日にいたっては60%を超えています。


昨年の今ごろ、全く売れずに苦しんでいた時は、どの商品もまんべんなく売れていました。
そこでランチェスターの法則にしたがって、「リッチロースかつ」を売る商品と決めて、
最低でも31%にするためにメニューブックを見直し、注文時に一声添える、
リッチロースに特別商品の追加するなど、試行錯誤を繰り返しました。

そしてはじめて28%を超えたときに、最低目標ととらえていた売上に達成していました。



売れるのを待つのではなく
売るためのありとあらゆる工夫をする。
そのためには勉強が必要なのです。


昨日はとても美味しいハムを食べさせていただきながら、
一点集中販売の大切さを実感できて、とても勉強させられました。




ごちそうさまでした!!!!!!!!
[PR]
by tonkatsuyutaka | 2007-06-08 09:00
第9話 4800円のとんかつなんて売れるんですか?
以前、九州のとんかつ店の経営者が店に来られて、メニューを見て驚きました。
「こんな高いとんかつが売れるんですか?」

とんかつ豊かでは
特撰ロースかつ3種盛り 4,800円、
イベリコベジョータのロースかつ 4,200円、
スーパーゴールデンポークのロースかつ 3,200円など、
一般の店では考えられない、とりわけ大阪ではあり得ない価格のとんかつを売っています。


私は
「放っておいたら売れません、売るんですよ。
売れるのは立地の良さや流行に乗ったときのことを言います。
売るのは知識や知恵を絞って戦略的に行うことです」
と答えました。



私の商品戦略術の基礎になっているのは「商品の10グレード」理論です。
この理論を唱えたのは前の会社の上司で、私をコンサルタントとして徹底的に鍛え上げてくださった、現在(有)経営コンサルティングアソシエーション代表取締役の宮内亨氏です。

詳しい理論を説明すると1冊の本になりますので、ぜひ宮内亨氏の「売れる商品はこう作る(こう書房)」を読んでください。


当店の主力商品である1800円の「豊かリッチロースかつ」を売るためには、
この4800円のとんかつを作りました。
その商品を始めたことで、店の売上は大きく伸びました。
そして4800円のとんかつも理論通り、毎月30~40食の売上を記録しています。


経営にはさまざまな法則があります。
その法則に基づいた商品戦略とマーケティングを行い、
そして時流を読んでのる。


言葉にすると簡単ですが、
コンサルタント時代に口先だけでいってたことが、
実践してみると簡単にはいきません。
少しでもずれると理論通りにはいかない。

理論が間違っているのではなく、
実践するための勉強が不足していたことに、
いつも気付かされる毎日。



だから毎日、勉強して鍛えています。
[PR]
by tonkatsuyutaka | 2007-06-07 01:24