コンサルタント会社を経て、とんかつ豊かを起業した飲食マーケッター小林孝志のブログ

2007年 08月 01日 ( 1 )
第44話 権威だってここまでやるのだ
今、私がもっとも恐れるものは体調が悪くなることです。
売上が伸びないとかという恐怖とは全く別次元のものです。

今からちょうど2年前、私は激しい頭痛で2ヶ月ほど苦しみました。
それでもオープンした直後なので病院に行く暇など全くなく、ずっと我慢をして耐えました。
しかしそれがもとで悪化して、国立循環器病センターに半年入院して4度の手術を受けました。
店はその間も3ヶ月ほど営業したものの、いわゆる“閉めておいた方が良かった”という状態に陥りました。


昨年の3月に再オープンしたものの、ちょうど同じくらいの時期にその病気が元で体調を崩し、入院か自宅での絶対安静かを迫られ、お盆直前に急遽4日間店を閉めました。


私にとって体調は経営に直結しています。
よく「命がけで経営」と口先で言う経営者はいらっしゃいますが、私の場合はマジで命がけの
実践者なのです。


だからほんの些細なことでも少しでもおかしいと思ったら、すぐに主治医に電話をします。
我慢に我慢を重ねて死にかけた経験があるからです。


ところが先日から、もっとも恐れる頭痛が起きました。
たぶん、普通の人なら頭痛薬でも飲んで寝てれば治ると思うでしょうが、何度も言うように私にとっては命がけです。
すぐに国立循環器病センター脳血管外科の主治医に電話をして症状を説明しました。
その医師の外来診察日が翌日の木曜日だったのでその時に診てもらうつもりでした。
ところがその医師は「今からこちらに来ることは可能ですか?小林さんの店の昼営業が終わってからでいいですから、とにかく来て見せて下さい」と言われました。


相手は国立病院の医師です。
それも循環器の分野においては日本の権威とも言えるスペシャリストです。
特にこの医師の外来予約は1ヶ月先まで予約でいっぱいです。
それを外来診察日でもないのに、また頭痛が起こって2日しか経っていない患者に対して、相手の不安を考慮してくれるのです。しかも外来を担当しているということはすごい数の患者と関わっています。それなのに一患者の職業についてまで考慮してくれるのです。


病院に行って待っていると
「小林さん。大変お待たせしました。どうぞ診察室に入ってお待ち下さい」
と最高の笑顔で招き入れてくれました。


何度も言いますが相手は国立病院の医師です。
普通はマイクで「小林さん。7番診察室まで」と呼び出されるのが普通です。




入院中、私は病名が判明し、処置するごとに色んな科を移りましたが、
とりわけ脳血管外科の対応は全然違いました。
それはトップである脳血管外科部長の考え方と行動が違うからだと思います。
「白い巨塔」というドラマの中で教授の総回診という場面がありました。教授がたくさんの部下を従えて週1回程度で病棟を回り、表面的に患者と接して自分の力を見せつけるというシーンです。
循環器病センターも週に1度、部長回診という名で同じようなことをやっていました。
他の科では、一度も診てもらったことがない部長先生が来て、カルテをパパっとチェックして、担当主治医に指示をしていました。なかなか不思議な光景です。

脳血管外科でも部長回診があります。ところがこの部長は毎朝8時前に、1人で全てのベッドの患者に「おはようございます。お具合はいかがですか?」とまるで看護士のように接してきます。
時にはお年寄りの世間話にもとても気さくに付き合っておられました。

国立病院の脳外科部長が全く偉そうぶらずに患者に接する。
そのトップの行動が素晴らしい対応をする医師を作り上げているのです。



診察では血液検査の結果とCTの画像を見て、病気の再発の心配は全くないことを具体的に分かりやすく説明してくれました。そして「頭痛を我慢することで新たな頭痛のタネになるので、少しでも痛いと思ったら今から処方する薬を飲んでください」といってくれました。


医師だって1つの商品です。
その本来的機能価値は「病気を治すこと」だと思っていましたが、私のように基本的に治らない
病気の患者にとっては「親身に関わって相手の不安を取り除く」ことだと感じました。



この医師は帰り際に「また少しでも変なことがあったらとにかく電話をして下さい。できる限りの対応をしますから」といつもように言われましたが、まさにその実践をされたわけです。



サービスとはただ笑顔で接したり、ハキハキと喋ることではなく、お客様の要望を察して、それに対応することの大切さをあらためて感じました。
とんかつ店ならお客様の好みの揚げ具合や塩コショウの具合を前もって察知して調理すること。
ご飯の量や味噌汁の具材などにも好みを反映させること。
そしてそれをするためにも、お客様の顔と名前と好みを一致させるメモを作ることから始めなきゃなぁ・・・と思います。



ところで会計窓口で患者様アンケートを渡されました。
へぇ~国立病院でもお客様の満足度アンケートなんかやるんだ、と思って内容を読むと、

・診察に不満がある(大いにそうだ そうだ どちらでもない そうでもない 全くそうでもない)
・医師の態度が悪い(大いにそうだ そうだ どちらでもない そうでもない 全くそうでもない)
というような逆説的アンケートの羅列。


私の印象は決して「診察に不満があることは、全くそうではない」でも、
「医師の態度が悪いことは、全くそうではない」でもありません。

「診察の分かりやすさと安心感に大満足!」であり、
「医師の態度も対応も最高に素晴らしい!」なのです。



ねぇ、国立循環器病センターの事務局の皆さん。

ちゃんと普通に誉めさせてよ。
なんで誉めたいのに大袈裟に二重否定をしないといけないのよ・・・

あんたらは欧米か?!
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by tonkatsuyutaka | 2007-08-01 13:15