コンサルタント会社を経て、とんかつ豊かを起業した飲食マーケッター小林孝志のブログ

2007年 06月 27日 ( 2 )
第25話 心観学術体
船井総研時代の上司の宮内亨氏から「心観学術体」という言葉をことあるごとに聞かされました。

私が宮内氏から聴いて、自分なりに解釈しているのは

人間というのは、その人の存在そのもの(コア)の周りを地球のように幾層にも覆われて形成されている。
それは中心から「心」→「観」→「学」→「術」→「体」の順番で並んでいる。

心(シン)とはその人の心構え。
観(カン)とはモノの見方。
学(ガク)とはモノに対する勉強。
術(ジュツ)とはモノに対する技術。
体(タイ)とは唯一具体的に表現されている目に見えるもの。

これらは全てつながっていて、「観」は「心」によって変わり、「学」は「観」によってやり方を変え・・・
そうやって、「体」は「心」からずっとつながって、現象として現れるに過ぎない。

だから「体」をつぶさに観察すれば、相手の「心」まで図り知ることができる。

人は誰かと関係を持つ場合は表面から入っていく。
「体」を見て、「術」を知り、「学」を学び、「観」を共有することが真剣な関係である。
ビジネスにおいては心までは入り込む必要はない。
それは夫婦間だけで十分だ。


こういった内容です。



はじめて聞いた時は、本当に感動しました。
私のコンサル時代に愛用していた手帳の1ページ目にこれが書いてあります。
自分のセミナーでも何度も話をしました。
そうするうちに自分のもっとも重要な考え方の一つになっています。



経営者としてスタッフとの関係は極めて大切です。
私は面接を行う時に、この考え方でその人の内面を探ります。
もちろん人材不足の折、基本は「来る者拒まず」採用ですが、
「観」がずれていると思った人は、すぐに辞めていきます。


そして18歳の人間にとってはやはり「観」は親の躾によってほぼ形成されています。

はじめて仕事をすることに対して、極端に言うと自分がよければいいという環境で育ってきた人と、周囲の人に絶対に迷惑をかけてはいけないという環境で育ってきた人では、全く違います。
最初は要領良く作業を覚えても、結局は続きません。



私は彼らの仕事人としての躾をする立場でもあります。
そう考えるとみんなが可愛い子供達に見えてきます。
5厘刈りの柔道2段の大男も可愛いくてなりません。




以前、友人にスタッフとの関係について相談した時に
「愛だ、愛!愛出していこう!」といわれました。

うん、その通り!

いくらでもあるアルバイト先の中で、とんかつ豊かを選んでくれたのです。
せっかく出会って、働いてくれる面々に対して、私は「心」までさらけ出して真剣に関わろう!


だからできる限りのことは聞き入れて、でも躾として厳しく接しています。


でも合わないと判断されたら仕方がありません。
でも真剣に辞めないように説得します。



最初はとても自信なさげなスタッフが、わずか2ヶ月で揚げ場からガンガン指示を出すようになりました。
今や目つきが完全に変わり、実に頼もしい目をしています。

彼女の両親はルールを守る、約束を守るといったことに、とても厳しく躾られたそうです。

そうやって戦力になった彼女の両親にも感謝しつつ、
私を人として厳しく躾てくれた両親と、
ビジネスマンとして激しく躾てくれた宮内亨氏に
深く深く感謝します。
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by tonkatsuyutaka | 2007-06-27 13:07
番外編 1本のありがたいご予約電話
先日、ご予約の電話をいただきました。
いつものように約束の時間に対して最大で30分程度、ずれ込む可能性がある旨をお伝えして
ご予約を受け付けいたしました。
少し以前、予約の時間に遅れるお客様がいらっしゃったため、次の予約のお客様を時間通りに
案内できずご迷惑をおかけしたことに対する事前のお断りです。


しかしそのことについて納得が出来ないご様子。
遅れる人が悪いのに、なぜ定時に来た人が迷惑しなくてはいけないのか、遅れた人にペナルティーを課せばいい・・・ということを議論されておられるのを、たまたま3ヶ月ぶりにチェックしたミクシィ内で発見しました。





私がやっていることは商売です。
お客様も私の商売のことを、何らかのカタチで情報を入手して、店に行く価値を見出してくれて、
面倒なのにわざわざ電話で予約をして下さいます。
この行為については、今もそしてこれからも最高の敬意をもって大切にしていきます。



遅れる人も故意に遅れるわけではありません。
仕事の都合や交通事情や様々な理由で遅れます。
また定時に来られても、子供さんがいて予定時間をオーバーすることもあります。
それに対応しきれていなかった店の仕組みが悪いのです。


私の商売に好意をもっていただいたお客様に対して、ペナルティーなど課すことなど絶対にあり得ません!!!!!!!!!!
約束から遅れたからお客様じゃないなんて発想は、私の中にはコレっぽっちも存在しません。
ただしこの後にご予約が入っていることはきちんとお伝えしています。
しかしそれでも店内が混みあっていて、商品提供に時間がかかる場合は、こちらに責任がありますので強くいうことは決してありません。



豊かのとんかつにとても自信があります。
豊かのとんかつを1人でも多くの人に食べていただきたい。
時間に追われず、ゆっくり楽しんでいただきたい。
そのために狭いながらも自分なりに工夫して作り上げた空間であり、選んだ食器であり、創意工夫して作り上げたとんかつなのです。
大手チェーン店のように○分以内提供とか、回転率最優先といった考えとは根本から違います。

目の前のお客様に心ゆくまで楽しんでいただいて、何度も何度も何度も何度もお越しいただくこと。それがとんかつ豊かの商売です。



それゆえに予約の制度をかえました。
また予約時に席の状況によって最大30分程度のズレが発生する可能性がありますと必ず伝えることにしました。
ただし実際に遅れた確率は3%程度です。
30組中29組はきちんと時間どおりに案内できる準備が整っています。
それでも30組に1組位の割合でご迷惑をおかけしたという実績があります。
ゆえに不信感を招くことを承知の上でお断りをしています。



これにもやはり自らの経験で、予約したのに待たされて嫌な思いをしたことから来ています。
でも2度目からはその店では予約しても待たされるという覚悟をしていくようになったら、
全然気にならなくなりました。
とても美味しい店なので、待ってでも食べたい店だからです。
予約をすれば、少しでも希望した時間に案内してもらえることに感謝をしています。
とんかつ豊かもそういう店になりたいと強く思っています。



とんかつ豊かの商売の本分は「美味しいとんかつを楽しんでいただくこと」です。
高級店のように時間どおりに席に案内することや、牛丼店のように10秒でも早く提供することが、
商売の本分ではありません。
真剣にとんかつを作り、真剣におもてなしをして、本当に美味しいとんかつを楽しんでいただくことが全てです。
揚げ上がりが悪ければ、容赦なく作り直しをします。
真剣に食べに来られているお客様に対して「まっ、こんなもんでいいか」はあり得ないのです。
もちろん揚げなおしについてはお客様に事情を説明して、お待ちいただきます。
お客様は“とんかつ”を食べに来られているのではなく、
「とんかつ豊かのとんかつ膳」を食べに来られているからです。

もちろん、時間どおりに案内すること、できる限り早く提供することにも最大限の努力をしています。でもそれが最優先ではないということです。



ちなみに5名様以上のご予約は必ず事前にオーダーを頂戴しています。
これについても厨房のスペースを考えると、5名分を一度に作ることが出来ないからです。
出来上がったものから順番に小出しに提供するのであれば可能です。
でも「食事を楽しむ」という観点から同卓同時提供はとんかつ豊かの絶対条件です。
そのために他のお客様への提供が大幅に遅れて、何度もご迷惑をかけてきたために、
そうしたお願いをしています。
今は、ご予約なしでの大人数様の場合は、後から入られたお1人様や2名組のオーダーを優先させていただくことをご了解いただいてから、ご入店いただいております。




店はある特定のお客様のものではありません。
もちろん私のものでもありません。
様々な事情をいっぱい背負ったたくさんのお客様が、何らかの理由で集まる空間です。


そしてあくまでも主役は私達です。
舞台を準備して、
原料を吟味して、
従業員に教育をして、
安全に注意して、
最高に美味しい状態で食事を提供して、
楽しんでいただくためのサービスを行って、
迷惑がかからないよう万全の準備と対策を講じて、
店独自のルールを持って、
お客様をお迎えしています。

それでも人間ですからミスは発生します。



もし故意に遅れる方がいるとしたら、私達の役者としての力不足です。
まだまだ勉強をして、もっともっと良い商品を提供する努力と実践を続けるのみです。




1本の予約電話からまたまた多くの勉強が出来ました。
本当にありがとうございます。


こんな考えの経営者が真剣に営んでいる店です。
私は決して強気の男ではありませんが、信念は強い男です。
考えが合わないようでしたら、仕方がありません。どうぞキャンセルのお電話を下さい。
でも、まぁいいか!とおっしゃっていただけるなら、オーダーのお電話をしてから自慢のとんかつを存分に楽しみに来て下さい。


絶対に損はさせません。
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by tonkatsuyutaka | 2007-06-27 13:06