コンサルタント会社を経て、とんかつ豊かを起業した飲食マーケッター小林孝志のブログ

第109話 バーベキューで気づいた経営の法則
先日、近所の河川敷公園で妻と2人でバーベキューをしました。

天気の良い休日ということもあって、河川敷公園はバーベキューをしようとするグループやら
家族連れでいっぱいです。


バーベキューで一番の仕事はなんといっても炭への点火です。
私はバーベキュー用にいろいろ道具をそろえています。
ひとつはガスバーナー。
ひとつはアメリカ製の手回し式のふいごです。

バーベキューコンロに炭を高く積み上げ、1箇所にバーナーで火をつけ、小さくついた火をふいごを使って確実に点火をします。次はその対角線側で同じ作業を行い、合計4箇所で確実な点火を行います。そしてひとつひとつの火がしっかり強くなってから、うちわで一気に扇いで全体に火を行き渡らせます。
この方法を行うと、炭がムラなく焼けて結果的にバーベキューが美味しくなります。


先日もいつものように1箇所ずつバーナーとふいごを使って火をつけながら、
「これって経営と同じだ!」と思いました。


私がはじめてバーベキューをしたのは大学に入ってすぐの頃。
ホームセンターで使い捨てのコンロを買って、外で食べるおいしさにはまりました。
しょっちゅうするようになると使い捨てではもったいないのでコンロを買い、同時に炭や着火剤など
も買いました。
しかし、まったく知識のない状態でやっていますから、火をおこすのが大変です。
準備を始めてから食べ始めるまでに平均して約1時間かかります。
そのうち大半の時間を炭への点火に要します。

10年程前のこと、2時間以上かけても火がつかず、あきらめて帰りかけたことがありました。
近くでバーベキューをしていたおじさんグループがそれを見ていて火のついた炭を分けてくれた
ことがありました。

そのときにいかにもバーベキュー慣れしている渋いおじさんが、
「お兄ちゃんは火のつけ方を知らんな。全体につけようとするからいつまでたってもつかへんねん。まず1箇所に確実に火をつけるんや。その火を元にして全体に火を回すんや。大体、新聞紙と
うちわだけで火をつけるいうのはよっぽど上級者のやることやで。初心者はちゃんと道具に頼らなあかんがな」

そういって見せてくれたのがガスバーナーと手回し式のふいごでした。

その日の帰り、おじさんに売っていると聞いた東急ハンズに行って同じ道具を買いました。
ガスボンベは今ではホームセンターでも売っていますが、当時は工事現場で使うプロ用しか
売ってません。コンロよりも高い金額で買いました。ふいごもいい値段です。


その道具が使いたくてすぐにバーベキューをしました。
おじさんの言いつけ通りにやってみたら、なんと10分で炭への点火が終わりました。


今までのやり方だと始めのうちに火がついていた炭は肉を焼く頃には火力もなくなっています。
だから新たに炭を足す。その炭に点火するのに時間がかかり、うちわで扇ぐと炭の燃えカスが
舞い上がり、網の上の肉に付着する・・・落ち着いて食べることもできません。

それでも「外で食べるのって気持ち良くておいしいね~」を楽しみにするのがバーベキューなんだから気にしちゃいけない!と強がって食べていました。

しかし新しいやり方をすると、炭の状態が最高になり、注ぎ足しも要りません。
そして本当に肉の焼け方が素晴らしいのです。
コンロも炭も変わっていません。ただ点火の方法を変えただけです。
それだけで本当においしい“炭火料理”が楽しめるようになったのです。


経営も独学だけや見様見真似だけではなかなか上手く行きません。
きちんと勉強する必要があります。
そして基本は一点集中です。
何店舗も、何業種も経営している人を見て、あれなら自分にもできそうだ・・・
そんな軽い気持ちで始めて、みんな上手く行かなくなります。

何店舗も、何業種もやっている経営者は、まず1店舗1業種で強い企業体を作ったのです。
その1店舗1業種を強くすることで学んだやり方で次の1店舗1業種、さらにその次という風に広げていっただけです。

まずはひとつの火が揺るぎない強さを持って燃えるから、その火を炭全体に行き渡らせることができるのです。
しかも炭は広げて置くのではなく、できるだけ狭い面積の中に高く積み上げておくことも大切です。

経営とまったく同じです。



ふと、周りを見渡すと大袈裟なテント、パラソルまでついた大きなテーブルセット、
ずらりと並んだ立派なバーベキューコンロに、車のトランクほどありそうなでかいクーラーボックス。
しかしかっこいいアウトドアファッションに身を包んだ父親たちは火をつけるのに悪戦苦闘!!!
その周りを待ちきれない子供達がラケットやグローブを持ってはしゃぎまわっています。


道具をそろえればいいんじゃありません、
本当にバーベキューに必要な肝心な道具がおろそかになっています。


それに対して私たちは夫婦2人だけ。
テントもなければバーベキューコンロも折り畳み式の小さいもの。
レジャーシートを敷いているだけで、クーラーボックスも最小サイズ。

私たちの目的はあくまでも美味しい炭火焼を食べる「食事」なのです。

持ってきている食材も魚を中心に、キノコやナスといった野菜。
いわゆるバーベキューの食材とはまったく違います。


ビールを飲みながら炭火できれいに焼けたさんまや秋鮭を食べながら、
こんな場所で経営のことを考えているやつはおらんやろうなぁ・・・
そう思った秋の気持ちいい休日でした。
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by tonkatsuyutaka | 2007-10-29 12:14
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