第87話 成長度合いによって相応しい人が現れる |
7月末から働いているメンバーが来年には初の社員になる予定です。
オープンした直後に病気になって、行く末どうなるやら・・・と考えていたことを思うと
本当に大きな進化です。
1年ぶりに掲載したアルバイト求人誌の掲載期限が切れたあとに、彼は応募をしてきました。
そして会った瞬間に採用を決めました。
とんかつ豊かの成長のためにこの男が必要だと直感しました。
唐木侑介君。
阪大に8年間も通っています。
とてもパワフルで実直で、しっかり自分の意見を持ち、それをちゃんと表現できます。
アルバイトでの飲食店経験も豊富で、いろいろな面で社会を知っています。
25歳としては大きく普通の人とは違います。
そういう私も東証一部上場企業を辞めて、全く未経験のとんかつ屋になった身です。
そういう点では相通ずるものをお互いに感じたのかもしれません。
当店は今、経営の大きな節目を迎えています。
今後の事業展開をどう進めていくか、現状をどうやって打開していくか。
そうした意識を強く持っていたときに、目の前に現れたのです。
今までも節目節目にいろいろな人との出会いがありました。
高校生の時にたいして仲が良かったわけでもないのに、3年間ずっと同じクラスだったことで、
ずっと付き合いが続いている友人。
開業するにあたって資金から経営方法、精神面まで全面的に支援をしてくれています。
苦心の2年浪人の末、ようやく入った第8志望の大学の同じクラスにいた女性。
それが妻です。
朝日新聞の求人広告をみて応募した船井総研の最終面接者が宮内亨氏でした。
最初に配属された一時面接をしたチームリーダーは私に○をつけなかったそうです。
一時面接で落ちていても不思議ではなかったのに、応募総数250人の中の採用5人に選ばれて、宮内氏の部署に配属されました。
船井に入って2年目の時、先輩社員のセミナーに欠席されたお客様がいました。
当日キャンセルは返金できないので、まだ稼げない私はセミナーの内容を説明しに行きました。
するとその経営者が私のことをとても気に入って、セミナーの説明ではなく、あなたの考えを聴きたい。今契約をするのでコンサルティングをお願いしたい。
そう言ってくださったのが、とんかつ店の全てを教えてくれた方です。
物件が決まらず途方にくれている時に、自分の育った箕面駅を降りて歩いていると、後ろからライダーキックしてきたのは中学1年からずっと仲良くしている友人の子供。
一緒にいた彼の奥さんに話をすると「うちのマンションの下が空いてるよ」
そうやって大家さんに出会い、この物件が決まりました。
研修をはじめる前日に、学生アルバイトが急にキャンセル。
人数が足りないので、面接では落ちていた別の学生に電話して急遽来てもらうことに。
そうして創業以来ずっと店と私を支え続けてくれているのが河野有佳子さん。
もしもあの時にあの人に出会わなかったら・・・
それは今まで私に関わってくれた全員がそうかもしれません。
しかし多大な影響を与えてくれる人というのはそう多くはいません。
自分の力相応に、ときにリーダーとして、ときに支援者として、ときに仲間として、
それに相応しい人が目の前に現れる。
それは偶然ではなく、自分が呼び寄せて掴み取るものである。
そんな風に強く感じています。