コンサルタント会社を経て、とんかつ豊かを起業した飲食マーケッター小林孝志のブログ

第58話 流れをつかむ
クリーニング店に車を止めて、店内にいる妻を車の中で待っていました。
すると1台のスポーティーなセダンが入ってきて、車を止めようとしていました。
ドライバーは50過ぎの女性。
ハンドルをめいっぱい切って少し下がり、一旦止めてからハンドルを真っ直ぐにして、少しだけ下がり、また一旦止めてからハンドルを少し切り直して、少しだけ下がり、さらに一旦止めてからハンドルを真っ直ぐにして、少しずつ下がり駐車を終えました。
一度も前に出しなおしたりすることはなかったのですが、普通の人の3倍くらい時間がかかっていました。


これを見ていて、新人スタッフの仕事ぶりと同じだと感じました。
ひとつひとつは丁寧にするのですが、流れが途切れます。
頭で考えて、そのうえで次の行動に移るからです。
悪いことはしていません。
しかし、時間がかかります。
ポツリポツリと来店がある日はいいのですが、一気に満席になるとものすごく時間が変わります。
早い人と比べると4人前でも3分以上の差が出ます。

さらに他の作業に対しても融通が利きません。
アラームがなったら「これをしなければならない」状態に陥ります。
あと10秒あれば、パン粉をつけてフライヤーに投入できるのに目の前のアラームを優先します。

フライヤーに投入さえすれば2~5分の猶予ができます。
その間に、秒単位で管理する必要のない作業ができるのですが、それができないため後わずかな作業を残して3分間ほど放置されてしまいます。

そうしたホンの僅かな時差が積み重なると30分くらいあっという時間が溜まってしまいます。
それが店全体のリズムを悪化してしまいます。
提供と会計が重なったり、下膳と来店が重なったりと、タイミングが極端に悪くなるのはほとんどの場合、店がリズムに乗れていないときです。



作業一つ一つの流れをしっかりつかみ、次の作業との優先順位を考え、一歩先を読むと全てが改善されます。
そうなるためにはやはり頭を使わなくてはいけません。
いくら長くやったところで、そこに気付かないといつまでたっても遅いまんまなのです。



はじめ一番作業が遅かった阪大生は一歩先を読むことに気付き、今では作業性が最も高いスタッフになりました。
作業を覚えることも大切なのですが、流れをつかむことも同じくらい重要なことです。
自分ができるようになったコツを、まだできていないスタッフに伝えるのが彼の仕事です。
自分ができることを見せつけても仕方がありません。
もうそんなことは時給で評価済みです。
ただのアルバイトととらえずに、社会人研修と考えて次のステージに行くことを経営者として望んでいますが、遊びたい盛りの学生には自覚がありません。
責任感を持って仕事をさせなければと感じています。



その後に入ってきた軽自動車は何度も何度も何度も何度も切り返していましたが、ついには2台分のスペースの中央に斜めになったまんま止まりました。
あきらめたような表情の60代の女性はとりあえず急いで店内に入って行きました。


長くやっても上手くなるものではありません。
物事を上手になるには、真剣な練習とコツが必要なのです。
[PR]
by tonkatsuyutaka | 2007-08-19 13:32
<< 第59話 ピンチがチャンスに変...   第57話 出会いは可能性を無限... >>