コンサルタント会社を経て、とんかつ豊かを起業した飲食マーケッター小林孝志のブログ

第49話 抵抗があるから力がつく
平日は毎朝9時の時報とともにティップネスに行き、プールで歩きます。
そこにいるのはいつも同じ面々。
ほとんどが60代、70代。中には80を超えているおばあちゃんもいます。

私は足の静脈血管を作るために、その日の疲れ度合いに合わせて50分から1時間半くらい
水の中を歩いています。
水の中というのは思った以上に抵抗があり、慣れないうちはまっすぐ歩けないくらいです。
一歩一歩力を込めて踏みしめて、上半身も前傾姿勢をとってバランスを取らないといけません。


いつも歩いているメンバーに私が以前にいた船井総研の会長によく似た風貌の70代のおじいさんがいます。
この人が実にパワフル!
バッシャンバッシャンと大きな波を立てながらまるでブルドーザーのようにグイグイと歩きます。
いつも同じ時間に来てきっちり45分間歩いていくので、歩く時間は毎日重なります。



歩く速度は私のほうが少し早いので25Mプールを4往復するくらいで追いつきます。
その時にその人の後ろを歩くととても楽なのです。
水に流れができていて抵抗がなくなるのです。
ちょうどスリップストリームに入ったような状態です。

またこの人の直前を歩くのも楽です。
後ろから追い風のような波が来て体を前へ前へ押し出してくれるのです。



私の歩く目的は楽して歩くことではありません。
できる限り負荷をかけて筋肉を鍛えるために歩いています。
手には水かきまでつけて、水を押し出すようにして腕や胸の筋肉も同時に鍛えています。


だからこのおじいさんに近づくとトレーニングにならないのでできるだけ距離をおきます。
しかし、逆にプールの真ん中でこのおじいさんとすれ違う時は、ものすごい抵抗があります。
私が歩くことによって発生する波もかなり強いのでしょう。
お互いの強い波がぶつかりあって大きな水しぶきが上がります。
そしてすれ違った後も逆波の中を歩くので結構大変です。




そんなことを毎日毎日何度も何度も繰り返しながら、ふと思うのは、
人生も抵抗があるから鍛えられて成長するんだということです。

強烈なリーダーシップやフォロワーシップの近くにいれば、何の苦労もなく楽に上手に進めます。
しかし、いざその波がなくなるとフラフラです。


私の場合は以前にいた家電量販店がそれにあたるかもしれません。
東証一部上場、社員数4000人の大企業。
当時、POSシステムも含めて日本一のシステムを持った量販店と言われていました。
自分で何かをする必要もなく、全てシステムが用意されています。
夕方6時に売った冷蔵庫でも、翌朝の10時までに配達できる。
店にない商品でもPOSで売上計上するだけで、メーカーに自動発注がかかって翌日に入荷する。
商品コードを入力するだけで詳しいスペックが入ったプライスカードが出来上がる。
そんなこと自体、本来は大変なことなのにできて当たり前の仕組みがあるのです。
それを「うちならできますよ」とまるで自分がやっているかのごとく勘違いを始めます。
会社の力でできていることを自分の力と思い込み、骨抜き勘違い人間になっていくのです。


私もその会社のシステムを上手に使いこなしていただけなのに、あっという間に店長にまでなったので、俺は優秀だぁ!と勘違いしまくっていました。


そして転職して入った船井総研の上司が宮内亨氏。
それはもうノーガードでボコボコにされて、初めて自分の力のなさを思い知ったのです。


宮内氏のリーダーシップやフォロワーシップもすごいのですが、必ず折り返しの強烈な波風を立ててきます。
こちらがスリップストリームに入ろうと足を速めたら、急に進行方向を変えて荒波にさらします。

それが家電量販店の時には一切なかったことです。


おかげで随分と鍛えられました。
向かってくる荒波に対する抵抗力もつけられました。



今、店にいるのは全員が学生スタッフです。
リーダーシップでグイグイ引っ張るばかりでなく、たまには進行方向を変えて彼らに逆波を立ててあげないと、本当の意味の教育にならないと思います。
そして、その時に発生する波は自分自身をも鍛えます。
自分のためにも彼らを逆波として受け止めることも必要なのです。



プールをひたすら歩く、まるで愛想のないおじいさんからそんなことを学びました。



ところで、私はいつもプールに一番乗りです。
朝一番の誰もいない波一つ立っていないプール。

実はそこを歩くのが一番大変です。
何もないところに自分の道を作る最初の片道がもっとも抵抗が大きいことも学びました。


とっても大変だけど、気持ち良いんだな・・・これが。
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by tonkatsuyutaka | 2007-08-08 12:45
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