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コンサルタント会社を経て、とんかつ豊かを起業した飲食マーケッター小林孝志のブログ

第46話 若い時の体験は人生の何よりの勉強
第8話に書いたアルバイトスタッフが辞めることになりました。

7月は試験で後半全休、8月はお盆を法事だからと8日間もぶち抜きで休み、9月は合宿で免許を取るので20日まで全休。
そのまま9月いっぱいで辞めさせて欲しいと言ってきました。
辞める理由は10月からの授業に少しゆとりができるので、昼から働ける仕事をしてもっと稼ぎたいのと、今のうちにもっといろいろな仕事を体験しておきたいから、だと言います。

さすがにこれには怒り爆発!

小林「お前の勝手のせいでみんな盆休みもろくに取ってないんや。自分の都合が良いようにシフト
を入れて、自由になったら辞めますではあまりにも無責任。そんなの絶対に認めない」

学生「人が育つまで辞める機会を待っていましたが、キリがないので辞めます」

小林「人が育つまでやと・・・?お前は傍観してただけやんけ。辞めたいなら代わりを作ってから
辞めろ。ひとごとにして逃げるな!」

学生「わかりました。では10月いっぱいまでいます。その間にちゃんと育てます。」

小林「じゃ9月中に2人くらい入れるからお前が責任を持って育てろ。募集のポスティングも自分で
やるんや。いいな」

学生「はい。分かりました」



私は辞めることについて怒ってはいません。
話があると言ってきた時点でこの話になることもわかっていました。
彼は店で2番目の古株です。ちょうど1年になろうとしています。
頭脳は明晰で仕事もできるのに、リーダーシップを一切発揮しない。
責任から逃れようとしていることがありありなことに怒っています。


きっと大きな組織の店なら学生アルバイトがそこまでする必要はないと思います。
お気楽に遊び感覚でできるアルバイトはいくらでもあるでしょう。
しかし、仕事というのは責任を持つことです。
お客様から見れば対応した人が店そのものです。

せっかくとんかつ豊かに入ったのだから、社会に出て即通用する人間になって欲しい。
社会のルールをきちんと教えるのも経営者としての仕事だと思います。



その日、営業が終わって彼と飲みました。
そこで伝えたのは、
いろいろ勉強するなら次は飲食以外の大きな会社がやっている小売り業に行くといい。
ヤマダ電機とか。
そこで大企業の考え方を学んで来い。でもそこも6ヶ月で辞めて、同じような規模の違う業種で仕事してみ。スーパーでもいいし。
君の性格は大企業のルールの中で生きていく方が向いていると思う。今、学生である権利をひけらかすように。
でも部や課のレベルになれば大企業も中小零細企業も同じ。5000人の会社でも自分が配属されて一緒に仕事をするメンバーは5~6人になる。そこはこの店と同じようにトップの仕事に対する考えひとつで変わる。
学生のうちにやりたい仕事を見つけるのではなく、仕事とは、組織とは、こういうものだということを知っておくことが大切。
君が抜けることは店にとって大変な痛手だが、その勉強をするためなら仕方がない。
とにかく学生アルバイトと思わずに真剣にやってこい。

それと学校の勉強よりも遊ぶことにも真剣に打ち込め。
それこそ学生の特権だ。
同じ事をやっても20歳の学生の時と40歳の経営者になってからでは変わる。
合宿で免許を取ったらすぐに車を買え!
免許を取るためだけの勉強なんかするな。
車なんて20万もあればカッコいい車は買える。古いけど・・・
後は維持費を稼ぐために頑張ってアルバイトで稼げ。
君はモテたいと思ってるから、そのための行動を起こせ。
やってみれば10年後に分かる。
学生時代にお金を貯める必要はない。
お金を稼いで、お金を使って、お金のありがたさを知ることが本当の経済学だ。



私も学生時代、アルバイトを通して本当の勉強をしました。
大学のマーケティング概論の講義よりも、真剣にワープロを売ることから学んだことが多いです。
真剣にやったからもあるし、ちょうどバブル期だったのもあってずいぶん稼ぎました。
そのお金でいっぱい遊んだし、車もずっと乗り回していました。
その時の体験が今の生活とても役立っています。

自分がいいと思った経験を、学生スタッフにも学んでもらいたい。
若い今だからこそ、自由がきく今だからこそ、できることです。



彼がいくつかの仕事を経験して、一回り大きくなったら、
またとんかつ豊かで一緒に働いて欲しいと思っています。
待ってますよ。
by tonkatsuyutaka | 2007-08-05 09:44
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