コンサルタント会社を経て、とんかつ豊かを起業した飲食マーケッター小林孝志のブログ

第43話 辞めないのも1つの才能というけれど。
ちょっと前に、バンビ~ノ!というドラマがやっていました。
その中で市村正親が演じるオーナーシェフが、辞めたいといってきた松本潤が演じる
見習いシェフに「辞めないのも才能の1つだ」というようなことを言っていました。


最近、1日だけ働いて辞めるという人が増えています。
先日も20歳の女子大生が1日働いただけで3日後に
「メールでは失礼とは分かっていますが、一日働いて小林さんの話を聞いたりして
私はやってけそうにないので辞めさせて頂きます。ご迷惑をかけてすみません」
と実に礼儀正しいメールをしてきました。


その前にも2人いました。
この2ヶ月で3人です。

初めて店に入るのは、基本的に店の状態と流れを見てもらうために、忙しい土日にしています。
行列ができるとはまるで思っていなかったようで、その時点でビビってしまうようです。
しかしお客様の少ない平日に研修をしてから辞められると店はもっと困ります。



それにしても不思議です。


特に先日の彼女は最近面接した中ではとても輝いていました。
同席したスタッフもいい人が入ったと喜んでいました。
とても礼儀正しく、とてもわきまえていて、きちんと躾を受けて育てられたことが第一印象で分かる、そんな女性でした。
飲食店アルバイト経験も豊富で、事実わずか3時間入っただけでその作業ぶりはすぐに手馴れたものになっていました。


なのに、
なんでこんな決め付けをするのだろう。
なんで勝手に自分評価を低くしてしまうんだろう。
なんで何もする前から逃げ出すんだろう。


失敗を恐れているのか?
失敗して傷つくことを怖がっているのか?
自分が出来ないことを認めたくないのか?


しかし人間なんて失敗して、傷ついて、自分が出来ないことを知るから成長できるはず。
磨くとは小さな傷をいっぱいつけて、光らせることです。



自分を低く評価するのは謙虚とは言いません。
謙虚とは常に自分よりも知識や技術が上の人がいることをわきまえて振舞うこと。
つまらない勝手な自己評価なんてなんの意味もありません。



それよりも他人評価を信じればいい。
少なくとも目上の人から言われたことを素直に受容すればいい。
少なくともあなたよりも経験も技術も知識も上の人がいうのだから信じればいい。

それもせずに私には無理だ、はもったいなすぎます。


そうやって人生から逃げ続けて、一体何をしたいのか?
いつかは自分にピッタリの仕事が見つかると思っているのでしょうか?
逃げずに立ち向かうから、仕事に自分がピッタリ合うだけです。




逆に面接まできてもらって、いい人だと思って採用して、一日でも仕事振りを見て、
どう教育していくかのプランを立てたにも関わらず、
一緒に仕事を続ける気にさせてあげられなかったのは経営者として力不足なのかもしれません。



仕事を始めるにあたっては何にもできなくてOKです。
ただ社会のマナーや店のルールを守れて、スタッフ同士できちんと挨拶が出来て、
話を素直に聞けるだけでOKです。


最初は何もできない相手に合わせて、上手に確実に素早く仕事できるように教育して、
「辞めたい気にさせない」ようにするのが店の、経営者の仕事です。


そしてそれは才能ではなく、実践を繰り返して身に付けるしかなさそうです。
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by tonkatsuyutaka | 2007-07-30 12:25
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