第20話 繁盛店の行列に並んでわかったこと |
なのでとんかつ豊かもできる限り行列ができないように、配慮している話は昨日しました。
しかしながらどうしても行列しないと食べられない店というのもあります。
自分の体験としてどうなのか、確認する意味でも行列の名所に行って来ました。
場所は大阪駅前ビルにある讃岐うどんの超有名店です。
カウンターのみ20席ほどの小さなお店。
一番商品は冷たいうどんにおろしとネギをかけて、すだちを絞って醤油をかけて食べる
「生醤油うどん(650円)」です。
昼ご飯のピークが過ぎた休日の2時前、それでも約30人の行列でした。
行列の客層を見ると
日常からこの店を使っているリピーターっぽいカップル・夫婦が40%
いかにもグルメなカップル・女性同士が30%
大阪ガイド本を片手に持った観光客が10%
男性1人が10%
そして女性一人も10%・・・
1人で並んでいる女性はみんなきちっとしたファッションを身に纏い、基本的にカッコいい。
そう考えるとガイド本客を除き、見事にとんかつ豊かの客層と一致しています。
一番商品の単品価格は650円ですが、オーダーを聞いているとセット+αを頼む人がほとんどで、客単価は約1000円。
うどんとしては1.5倍近くの高価品であり、昼ご飯としても1.2倍くらいの価格。
これまたとんかつ豊かと一致している。
そういえば1ヶ月ほど前に行った大阪市内の洋食店も夜の客単価は2,000円前後。
そこで見た行列もやはり同じような面々。
私がいつも行く大阪北部の焼肉店は予約を一切受け付けていないので、土曜・日曜は2時間待ちもザラ。ちなみにその店の客単価は6000円超。
自分で“勝手に”とんかつとしては高いから・・・と思い込んでいるだけで、
世間のディナー需要からすると全然高いわけではない、ということに気付きました。
つまりとんかつ豊かの行列に対してカッコつける必要もビビる必要もないということ。
うどん店では約30分待ちました。
待っている間に女将さんがオーダーを聞いて回りながら、
周辺の店に配慮して列の整理もしています。
そのためか待っているお客さんもとても行儀良く並んでいます。
そして席に案内されるとすでにスタッフが前に立っていて、
とても流暢にうどんの美味しい食べ方の説明をしながらうどんを出してくれました。
着席してから食事提供までの待ち時間ゼロ!!!!!!!
しかも有意義なパフォーマンス付き!!!!!
このあたりに超繁盛店の真髄を見ました。
美味しいだけではない。
早いだけでもない。
ちゃんとお客様の心理を読んで、それを上回るシステムが確立されています。
これで30分立っていたことを忘れてしまいそうです。
行列を作ることが目的ではない。
並んで待ってでも食べたいとんかつを提供し、
並んで待った気持ちにこたえる対応を行う。
ただ並ばせるだけでは絶対にダメ!
並ぶということに明確な「価値」を提供すること。
それは食事の本質に重点をおいた「価値」である必要性を感じた「行列体験」でした。
それにしても“お刺身のようなうどん”の名にぴったりの最高に素晴らしいうどん。
また、並んででも食べたい美味しさでした。ごちそうさま!!!