コンサルタント会社を経て、とんかつ豊かを起業した飲食マーケッター小林孝志のブログ

第11話 ポッキーから学んだこと
先日、朝日新聞夕刊に「ヒットの秘ミツ~直径3ミリ 極細ポッキー パキパキ食感 救世主に~」
という記事が掲載されていました。
とても気になったので、その日にスーパーのお菓子コーナーの棚をチェックしに行きました。
すると、ポッキーの関連商品、類似商品だけで12品目ほどあり、
かなりのスペースを取っていました。

その中から、とりあえずシリーズ品は除いて全部で6点を購入。
早速、会社のテーブルの上に並べて、相関関係を考えてみました。
(ちなみに私は第9話にでてきた宮内亨氏に鍛えられたせいで、何でも関連図にするクセがついてしまっています・・・)


なんといっても中心はグリコの元祖ポッキーです。
美味しいとか不味いとか、そういう域を越えた絶対的な存在です。
日清のカップヌードルと同様、このジャンルの始元として受容するのみ。

まずそのこと決めてから、元祖ポッキーと他の商品との関係を考えました。

まずクラッシュポッキー。
基本は同じですがチョコの部分にアーモンドやらココナッツをつけて豪華感を出しています。
いわば「付加の発想」から生まれた高単価商品。

フランは明治製菓の商品で、軸を太いビスケットで仕立て、たっぷりとクリームがついています。
どちらかというとチョコビスケットをポッキー型にした「融合の発想」。
ちなみにグリコのムースポッキーはフランへの対抗商品。

ロッテのトッポはプレッツェルを外側にして中にチョコレートを流し込んだ商品。
この「逆転の発想」は長所満載で、おそらくポッキーの牙城をもっとも大きく揺さぶったであろうと思います。この対抗品をグリコも出しましたが、あえなくつぶされたようです。

そして今もっとも話題の大ヒット商品「極細ポッキー」。
通常のポッキーが38本入りなのに対して、極細ポッキーは52本入りです。
ただし重量は一緒なので、その分ただ軸を細くしただけ。
軸とチョコの味は変わりません。
食感は確かに軽く感じますが、それだけのこと。


ポキポキ食べながら、ウンウン唸りながら価値を考えましたが、全く分かりません。
なんでそんなに売れるの?????


しかしよく考えれば、私はここ10年くらいポッキーなんか買ったこともないし、食ってもない。
そんな人間に分かるはずがありません。
頭でっかちになっている自分に気付いたので、
出勤してきたアルバイトスタッフの18歳女子大生に素直に聞いてみました。
彼女はいつも極細ポッキーを買っているそうです。

「なんで?こっちを買うの?」
ポッキー大好きのアルバイトスタッフの答えは明快でした。

「だって普通のポッキーより本数が多いから、たくさん長いこと楽しめるじゃないですか!」



!!!!!



まさに目からうろこの答えでした。
ヘビーユーザーの価値基準は美味しさではなく、「お菓子を楽しむ」ことにあったのです。


これらから分かったこと。

必ずしも味が全てではない。
売る相手によって、
使うシチュエーションによって、
商品価値の基準は変わるのです。

その価値に見合った商品を作れば売れるのです。
そしてその求められている価値を見出すのがマーケティングです。
それこそが客層別バリューマーケティングなのです。


とんかつ豊かには、キャリアウーマン風のおしゃれでカッコいい
女性二人連れという客層がとっても多いです。
またスーツを着た30代前後のカッコいいカップルも多いです。

そうしたお客様はゆっくりと会話を楽しんでおられます。
時には2時間以上も滞在されることもあります。
ほとんどが平日のわりと早い時間帯に来られます。
お酒はほとんど飲まれません。


その人たち対して、本当に求めている商品を提案できているだろうか?
その人たちを本当に商品で楽しませることが出来ているのだろうか?


それが今月のテーマである新とんかつ開発のポイントです。


わずか148円のポッキーからいろいろ学ぶことが出来るものです。



その新人女性スタッフにもう一つ質問しました。
極細ポッキーのように豊かのとんかつを変えるとしたら、どんな風かな?

「めっちゃ薄くして何枚も食べてもらったらいいんじゃないですかぁ?」


・・・・・・・・・


意外にそんなんでいいのかもしれないなぁ・・・
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by tonkatsuyutaka | 2007-06-09 08:40
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