コンサルタント会社を経て、とんかつ豊かを起業した飲食マーケッター小林孝志のブログ

第4話 本日の揚げ場職人は、入社1週間の18歳女子短大生!
中学生のときにバスケットボール部に入っていました。
1年生のときはボールを触らせてもらえないので、
グラウンド50周なんて当たり前くらい走り、
さらに腹筋だ、腕立て伏せだ、うさぎ跳びだと、
日が暮れるまでひたすら体を鍛えまくる毎日。


2年生になってやっとボールを触れるようになると、
今度はひたすらドリブルとシュート練習の日々。
もちろん基礎的なランニングや腹筋なんかも欠かさない。

かくしてとにかく上手く、そして強くなった。
走ったおかげでジャンプ力もすごかった。
みんな陸上部並に短距離走も持久走も早かった。
みんなドリブルやシュートが上手かった。
前年のチームよりもはるかに華麗で上手だった。


しか~し・・・
試合には勝てなかった。
マジで笑うくらい勝てなかった。
15連敗くらいまでは記憶がある。


負け癖がつくと恐いもので、負けても「また負けた」で終わり。
そもそも、今日も勝てないんだろうなぁと思って試合をしていた。
練習をサボらずやってとっても上手なのに、だ。



勘違いしてもらっては困るのであえて言うが、これは精神論の問題ではありません。



結論を言うと、物理的、有機的に「勝つ練習」をしていなかったのです。


一人一人が強く上手くなる練習はしたけど、チームとして勝つ練習はしていなかった。
相手と1対1の個人技の勝負には勝てた。
華麗なるドリブル突破!
そしてそれに満足。

本来はは5人でゆっくりとパスを回しながら攻め、
そして5人で攻めてくる相手から全員でゴールを守る。
攻撃にも守備にもフォーメーションがあるものだ。


しかしながらわが中学のバスケットボール部では
そうした練習を「い・っ・さ・い」やってこなかった。


まるでこぼれ球に群がる子供の試合。
ボールに触ったら最後、俺がヒーローだ~!って華麗なドリブルで
たった一人で統率された5人の守備隊に突っ込んでいく・・・
しかし日々の練習ではシュートを邪魔する相手さえいないから当然叩き潰される。
全然点が入らない。
でもシュートを外しても単にシュートが入らなかったことが悔しいだけ。


だから勝てなかった。
今思えば勝てるはずもなかった。
勝てたら奇跡だ。


そうしてありえないくらいド田舎の部員わずか6人のチームに1回だけ勝って、
3年間のバスケット部生活は終わった。




さてこれを経営に置き換えます。

経営においての試合の勝ち負けとは儲かるか損するか、この1点に尽きます。
プロセスがどうあれ、とにかく儲けなきゃ始まらない。
上手であることよりも、とにかく勝つことに執着するのみ。

ガキんちょのお遊びとは違うのです。
自分と家族の生活がかかっているまさに真剣勝負の場。


必要なのは我こそはヒーローである、という存在ではありません。
全員が勝利に向かって勝つための練習、
つまり儲けるための訓練をしているか、なのです。

それは逆にいうと経営者がそうした物理的な訓練ができる環境と機会を与えているか、
ということになります。
研修であったり、マニュアルであったり、教育システムそのものだったり、
会社の規模や歴史や経営者の考え方によってそれぞれだと思います。



とんかつ豊かは本当に小さな小さな店です。
しかし夢と目標は馬鹿デカイです。
ゆえに教育システムも手探りしながら着々と進化しています。

今、学生アルバイトは入社3日間でとんかつを揚げられるようになります。
優秀な人を採るから・・・
ではありません。
教育システムが出来上がっているから・・・
でもありません。


すごくいい原料を使うので技術によって左右されないからなのです。
揚げ時間も全て決まっています。
低温の油で何分何秒入れて、高温の油に何秒。そして油切りを何分間・・・こんな感じです。
その通りにさえしてもらえれば、材料のおかげで美味しいとんかつができるのです。
要は誰にだってできるのです。


普通の人はとんかつを手揚げするというと職人の世界だと思ってるようです。
実際に修行を重ねて苦節30年で極めたとんかつ職人なる人物もうようよいます。
テレビや雑誌でそういう人が作ったとんかつを崇めたてる・・・作られた常識。


だからアルバイトもまさか自分がとんかつを揚げるとは思わずに、
ホールでお茶を出せばいいと思って応募してきます。

でも先輩アルバイトスタッフに教えられて、
わずか3日で職人と同じ仕事を任せられます。


えっ?!もう揚げるんですか?!という不安のなかで作業をすると、
これがすごく上手に揚がってしまうのです。

そしてレジでお客様においしかったわよ!といわれて、
もう、これで仕事が楽しくなるのです。


面白いもので、そうして自信を持つと
「この肉は少し厚みがあるので15秒ほど長めに揚げよう」とか、
「肉のドリップを減らすにはどうすればいいか」なんてことを考えて勝手に動き始めます。
休みの日にとんかつチェーン店で自分が作るとんかつとの味の違いを
確かめに行くようにもなります。


しかも私は技術的な研修には一切関わりません。
研修の指導とフォローは全てアルバイトスタッフに任せています。
私は、彼らを本気で誉めて、本気で認めて、その気にさせることに注力しています。
そうすると本当に動きがよくなりますし、教えたスタッフも自信たっぷりになれます。


ひたすら自分の技術を磨く職人さんはそれはそれですごいと思います。
でも私はそんなことより、勝つためのことを考え、
教える仕組みを作り、教え方の教育をしています。

そうすると自然に勝つことが楽しい集団になるものです。
勝つことが当たり前の集団になるのです。


優秀な人材を集めることで勝つのではなく、
勝つことが当たり前と思ってる人材こそが会社にとって優秀なのです。




身長168センチながら、高さ3m5cmのバスケットリングに届く抜群のジャンプ力を、
来る日も来る日も厳しい練習に耐えて手に入れた幼き日。
その能力は「チビのクセにすげー!」って相手に思わせるために
試合前の練習でリングにぶらさがる懸垂パフォーマンスとして使っていただけ・・・



ポテンシャルの無駄遣い・・・



ただのアホ・・・?
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by tonkatsuyutaka | 2007-06-02 09:21
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